音の波
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さまのほそみちじゃ』
歌が進むごとにその音波の塊のようなものは一層濃くなっていく。確かだが、この歌は「通りゃんせ」だったと思うが、なんでこんなものが。
『ちっととうして、て、ててててててててててててててててててててててて』
突然歌が壊れ始めた。それと同時に俺の頭痛も酷くなっていく。最早今自分が考えていることや、自分が今見ているものが幻覚なのか、それとも本当のものなのか、もうわからない。その時、俺の前に何かが立ったのが分かった。
「ほう、意識を失っていないか。おや?ああ、そうかあいつのお守りのおかげでなんとか摂られずにいられているのか。運がいいな少年」
そいつは学校で見た着物を羽織り、同じように刀を持った紫の髪の男だった。なにか言っているようだが全く分からない。
「応えることも出来ぬか。まぁ、仕方ない。先ほどと同じように眠っていろ。すぐに終わる」
男が刀を振り上げる。
「そうだ、覚えているかわからないが。もし今日のことがなにか知りたいならお前の父を訪ねるが良い。全てわかる」
………親父を?
「ではな。ゆっくりと、お休み」
その言葉を最後に、俺の意識は痛みから開放されるように深い深い闇の中に沈んでいった。
続く
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