音の波
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と、マコトとの四人で暮らしたいんだ。なに、安心しろ。あいつは俺の息子さ。ちゃんと戻ってきてくれる」
お父さんが私の頭に手をおいて優しく言ってくれる。
「そう……ですね。私も四人で暮らしたいです」
そう答えるとお父さんは笑顔になり、頭を撫でてくれた。その時、机の上にあったお父さんの携帯が震えだした。どうやら着信があったらしく、お父さんは撫でていた手を取り、すまんなと言って携帯を持って自分の部屋へと言ってしまった。お父さんはああ言ってくれたがやっぱり私がなんとかしなきゃ。そう思った私は自分の部屋へ行き、携帯でマキさんへ連絡を入れる。マキさんなら相談に乗ってくれるだろう。
「……よしっ!がんばれ私!」
PM20:05
詠月家 書斎
「私だ」
『お疲れ様です、私です』
「知っている、それでどうだった」
『やはりといいますか、アチラ側からのアプローチがありましたね。彼女がそばに居たので大丈夫と思っていましたが、離れた隙に』
「君のことだ、大事には至らなかったのだろうな」
『そこはご安心ください。少しばかり苦戦はさせられはしましたが討滅は完了しております』
「流石、というべきか。引き続き監視は続けてくれ」
『了解いたしました。では』
PM21:48
アパートGEF マコトの部屋
「まだバンドの奴らといんのかな。一切既読がつかない」
帰宅後、学校での不審な出来事のことを聞こうと思いマキに連絡したのだが、全く返事が来ない。直接家に行けば良いのだが、オジサン寝るの早いからなぁ。窓から弦巻家の様子を見るが、電気が一切ついていない。なんて健康的な生活してんだオジサンは。
「仕方ない、ゲームでもしてるか」
ソファから立ち上がりテレビのそばに近寄る。
「あれ、俺テレビつけてたか?」
テレビのスピーカーからチリチリとした音が聞こえる。電源を入れた覚えはないからこんな音はしないはずなのだが……
「ぐっ!?あ、あぁぁぁぁ!!」
突如として再びあの音が聞こえ出す。今回はさっきのようなものではなく、頭が焼ききれそうなほどの頭痛を伴い俺を襲ってくる。
『とーりゃんせ、とーりゃんせ』
テレビの方から声が聞こえ始めた。頭痛を我慢するように机にしがみつきながら立ち上がり、テレビの方へと目を向ける。そこに写っているものは信じられないものだった。
「なんだ……よ、これ」
まるで音波をひたすら重ねたような、気味の悪いものがテレビの画面いっぱいに写っている。よく見ると、パソコンに携帯、あらゆるものから音波のようなものがテレビへと流れ込んでいるのがわかる。なんだよこれ、一体何が起こっているんだよ!
『こーこはどーこのほそみちじゃ。てんじんー
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