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魔法少女リリカルなのはINNOCENT 〜漆黒の剣士〜
外伝 第2話 「真夏の公園で」
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 シグナムって見た目の割に子供が好きだよな。面倒見良いよな、と言うのは簡単だ。ただ彼女は八神家の中でも意地悪をする方というか、されるよりもする側の人間だ。
 故に下手なことを言ってしまうと、恥ずかしがってすぐ近くにある棒で叩いてくるかもしれない。とはいえ、このまま黙ったままというのも機嫌を損ねてしまう……ここは。

「なら言わせてもらうが……もう少し女らしい恰好をしたらどうだ?」
「なっ……うるさい、別にどんな格好をするのも私の自由だろう。大体今日は体を動かす予定で外に出たのだからこの格好で問題ないはずだ!」
「それはそうだが……お前って今日みたいな予定がなくても普段からジャージばかり着てる気がするんだが?」

 ジャージ以外の恰好は買い出しに行くときとか店の手伝いをしているときくらいにしか見ない気がする。最近は大会が近かったり、防犯訓練の手伝いをしていることもあるらしいので、比率で言えば確実にジャージ姿の方が多いだろう。

「そんなんだといくらお前が美人でも異性にモテないぞ」
「――っ、お前は何をさらりと歯の浮きそうなセリフを言っているのだ。お前まさか誰にでもそのようなことを言っているのではないだろうな。剣を取れ涼介、お前のその根性私が叩き直してやる!」
「落ち着けシグナム、チャンバラ用だろうとお前に本気で殴られたら最悪失神してもおかしくない。というか、何で今日はそんなに怒るんだ? こんなやりとり前にも何度かしただろ!」

 俺の記憶が正しければ、そのときは涼しい顔をしていたはずなのだが。顔はほぼ毎日合わせているようなものだし、押し倒したりして気まずくなるようなことがあったわけでもない。

「あぁーリョウ、それは多分あれだな。アリサとかにリョウとあたしらの関係を聞かれてその流れでリョウのことをどう思ってるかって話になったからだろうぜ」
「おいヴィータ、その話は……!」
「別にいいじゃねぇかよ。あたしはあんまし分かんねぇけど、シグナムだってそういう話でアインスのことからかったりしてるみてぇだし、リョウだって状況が分かんねぇだろうしさ」

 あぁなるほど、俺が来る前にそういうやりとりがあったのならばシグナムの反応にも納得が出来る。男勝りというか大抵の男よりも男らしい奴ではあるが、シグナムは正真正銘の女だ。周囲から『乳魔神』と呼ばれることがあるくらい、とても女性らしい体つきもしているし。
 ただ恋愛に関する話などはするにしても自分ではなく他人のものに参加するくらいだろうし、俺が知る限りこれまでにシグナムは男性と付き合った経験はなかったはずだ。小学生の純粋な興味で質問されたら無下にすることもできないだろうから、きっと追い込まれたに違いない。

「そうか……ちゃんとシグナムにも女らしい一面
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