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魔法少女リリカルなのはINNOCENT 〜漆黒の剣士〜
外伝 第2話 「真夏の公園で」
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生ではあるが、シグナムと一緒に暮らしているだけあって彼女のことはよく分かっている。
 ただまあ……ヴィータはヴィータでシグナムがヴィータのことを自分で思っている以上に好きと思っているのに気づいていないだろうけど。
 シグナムが普段ヴィータに対してあれこれと口うるさく言うのはヴィータのことが好きだからだ。前にヴィータがシグナムに対してもう少し家に居てもいいと思うと言った時に、シグナムは笑いながらヴィータの頭を撫でたらしいので間違いないだろう。そういうときくらい恥ずかしがらずにシグナムも自分の気持ちを言えばいいだろうに。

「何だよ? あたしとシグナムを見ながらため息吐きやがって。シグナムはともかく、あたしはそこまで熱くなったりしねぇだろ」
「そういうことでため息を吐いたわけじゃないけど……デュエルに関してはシグナムより君の方が熱くなってると思うよ」
「う、うっせぇ! ショッププレイヤーとして強くならないといけないんだから熱くなるのは当然のことだろ!」

 口は悪いが小学生なのに店のことを考えているのは偉いと思うし、年が離れていることもあって微笑ましく思える。なのでヴィータの頭を撫でてしまう俺はおかしくないだろう。ヴィータは恥ずかしいのか「撫でんじゃねぇ!」と言ってくるが、手を払おうとしないあたり別に嫌ではないようだ。こういうところもヴィータの可愛らしいところである。

「ふたりとも踏み込みが鋭くなってきたな。どうだ? 本格的に道場で学んでみては」
「そ、その件は……」
「前向きに検討させていただきます」
「そうか……残念だ」
「なんだ、また振られてんのかよシグナム」

 ヴィータが声を掛けたことで3人の視線がこちらへと向く。先ほど来たばかりの俺に多少なりとも驚いた素振りを見せたのはもちろんだが、それ以上に『俺に頭を撫でられているヴィータ』という構図にシグナムはともかく小学生組は驚いたように思える。

「あ、リョウさんずるい! ヴィータ〜♪」
「今日のアリサは汗掻いてるからくっつくの禁止!」
「えぇ、少しくらいいいじゃない。リョウさんみたいに頭撫でるだけ、ね?」
「ダメったらダメ……にしてもお前らもよくやるよなぁ〜。ブレイブデュエルだけじゃ体が覚えられねぇからって」

 その言葉に面倒を見ているシグナムは師匠から公認されているらしいが、荒っぽい特訓をしていることは理解しているらしく、小学生達に変な癖が付かないか心配する。フェイトちゃんは大丈夫と返事をするが、俺はそれ以上に彼女の頭を撫でるシグナムの方が気になってしまった。

「何だ涼介、私の顔に何か付いてるか?」
「いや別に……」
「その言い方からして何かあるだろう。知らない仲じゃないんだ。素直に言ったらどうだ?」


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