暁 〜小説投稿サイト〜
転生とらぶる
機動戦艦ナデシコ
1286話
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げ、俺の足を止めるべく太股へとローキックを放ってくるが、その一撃も俺が素早く後ろへと後退した事により回避する。
 攻撃を回避しながら感じるのは、エステバリスのパイロットの中で最も生身の戦いに才能があるのがリョーコだという事だ。
 それだけではなく、ヒカルやイズミもそれなりに鍛えているし、ヤマダも一般人に比べると腕は上だろう。テンカワは……まぁ、コックなんだから仕方がないのかもしれないが。
 次々に放たれるリョーコの攻撃を回避しながら考える。
 そもそも、IFSというのはパイロットのイメージで機体を動かすという仕組みだ。
 それだけであればT-LINKシステムに似ていなくもないんだが……当然そういうシステムである以上、基本的にパイロット個人の技量がダイレクトに操縦に影響する。
 勿論イメージという事で想像……もしくは妄想する力が高ければそっちはそっちでいいんだろうが、そこまでの想像力や妄想力を持っている者はそれ程多くはない。
 やはり無難なのは、自分の身体を鍛えてそれをイメージするという事だろう。
 生身での戦いが強いのはIFS操縦に絶対的に必要……という訳でもないのだが、有利なのは確実だった。
 特に射撃はともかく近接攻撃を得意とするパイロットにとっては、半ば必須事項に近いとも言えるだろう。
 そんな風に考えていると、連続して攻撃を外し続けていたリョーコが後ろへと下がって大きく息を吐く。
 相手に攻撃を回避されるというのは、想像以上に体力を消費する。
 ましてやリョーコが相対しているのは俺だ。
 1発も攻撃が当たる事はなく、ただひたすらに空振りしまくっていたのだ。
 いや。寧ろここまで体力が保った事の方が驚きか。
 今日の訓練は既に2時間近く行われている。
 その2時間で、全員が俺に攻撃を1発も当てる事が出来ずに体力を消耗していたのだから。

「ほら、行くぞ。……耐えて見せろ」
「っ!?」

 俺の口から出た一言に、リョーコは咄嗟に防御の構えを取る。
 そこに向かって突き出されたのは、拳。
 勿論全力な訳じゃなく、1割も力を込めてはいない。
 というか2割、3割と力を込めれば、鍛えていても人間なら普通に死んでしまう。
 そんな風に手加減をした一撃だったが、その速度と威力はリョーコにとっても完全に想定外のものだったのだろう。防御の隙間を縫い、リョーコが着ているプロテクターへと命中する。

「うおっ!」

 そんな声を上げつつ吹き飛ぶリョーコ。
 それでも身体のバランスを崩すことはなく、立ったままでこっちの攻撃を受けたというのは普通に驚くべき事だった。
 反射神経と運動神経が高いレベルでバランス良く纏まっているんだろう。
 ……もっとも、それでも立っているのが精一杯という状態であり、足がガクガクとし
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