第二章
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「ですから」
「そうですね、ですが」
「そうしたお話がですか」
「ありまして」
「わかりました、それは実にです」
学者としてだ、教授は老人に答えた。
「面白いお話ですね」
「学者としてですね」
「興味深いです」
実際にというのだった。
「このことは日本でも紹介させて頂きます」
「どうぞ、しかしです」
「しかしとは」
「よくこの様な場所に来られましたね」
老人は珍しそうに、そして不思議そうに教授にこうも言った。
「日本から」
「アイルランドが好きなので」
「だからですか」
「はい、アイルランドの歴史が専攻でして」
「この国の歴史が」
「そして文化や民俗風習等もです」
そうしたものもというのだ。
「研究していますので」
「それでなのですか」
「そうです、アイルランドといいましてもイギリスについてもですが」
アイルランドの隣国であり相当に根深い因縁のあるこの国のこともtごいうのだ。
「調べていますが」
「あの国については」
「はい、言わない方がいいですね」
「ここでは」
イギリスについてはだ、老人は不機嫌な顔で答えた。それだけ両国の間には深い因縁があるということである。
「お願いします」
「それでは」
「はい、それで他にもですか」
「お話を聞かせて頂きたいですが」
「この村の妖精のお話をですね」
「色々と」
「それでは」
老人も頷いてだ、そしてだった。
老人は教授にそうした話をしていった、教授はその全てを書き留めて日本においてその書いたものを論文にも書いた。それからだった。
彼は一年の間日本で大学教授として働いていてだ、その間アイルランドには行かなかった。それでその時自身の研究室に来た学生達にその村での話をした。
「ナイチンゲールが啼くというね」
「夜にですか」
「その村で生まれて育って生きた人が死ねば」
「それも長生きした人がですか」
「そう聞いたよ」
こう話すのだった。
「バンシーだけかと思っていたら」
「あの国はそうしたお話多いですけれどね」
学生の一人がこう教授に返した。
「妖精とか幽霊の」
「イングランド、スコットランドもだけれどね」
「ウェールズもですね」
「うん、確かに多いね」
実際にとだ、教授も答えた。
「この四国には」
「所謂イギリスという国は」
「グレートブリテン島とアイルランドはね」
「妖精とか幽霊の話の宝庫ですね」
「それを調べても」
教授は真面目であるが微笑んで話した。
「面白いんだよ」
「そうですよね」
「それで私もよくあの国に行っているけれど」
そのアイルランドにというのだ。
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