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第六章

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 高校になると彼氏が出来てだ、大学でも彼氏がいて。
 就職した時にだ、その時の彼氏と同棲をしていて。結婚間近の時にテレビに映っているマッチを観ていてにこにことしていると。
 その彼にだ、苦笑いでこう言われた。
「マッチ好きかい?」
「デビューした時からね」
「マッチも息長いね」
「ずっと活躍してるからね」
「俺が中学の時からか」
「そうね、そう思うと長いわね」
 歌番組で歌っているマッチを観ながらの言葉だ。
「この人も」
「消える人も多い世界だからな」
「それでずっといるから」
「で、御前はか」
「ええ、ずっとファンなのよ」
「好きなんだな」
「愛してるわよ」
 くすりと笑ってだ、彼にこうも言った。
「マッチを」
「おいおい、俺よりもか?」
「マッチはマッチ、貴方は貴方よ」
「それは浮気か?」
「馬鹿言ってよ、コンサートには行ってもね」
 それでもだ、マッチには。
「握手会も何度も行ったけれど」
「それでもか」
「マッチはマッチ、ずっと恋をしててもね」
「俺は俺か」
「それでいい?」
「幾ら俺でも芸能人に嫉妬するかよ」
 彼は笑って私に返した。
「テレビに出てる人にな」
「じゃあいいのね」
「いいさ、俺を好きならな」
「そういうことでね」
「じゃあ式の話するか?」 
 彼はここで現実の話をしてきた。
「何時する?」
「六月でしょ、やっぱり」
「そうだよな、それで式場は」
「そうね、そこはね」
 彼と式の細かい話に入った、私はマッチに恋をしながら今恋のあらたな段階に入っていた。結婚してそれからの恋愛に入る段階に。私の恋は続いていた、それで私自身が大きくなったかどうかはわからないけれど。


Moreもっと恋して   完


                         2015・6・24
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