はぐれそうな“天使”を救え
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」」
涙ながらに頭を下げる赤ちゃんの両親。二人が仕事をしている間に、さっきの魔鳥が赤ちゃんを連れていってしまい、偶然下ろされた牧場にいるのをグレイさんが見つけてきたらしい。
「大変な一日でした」
「でも良かったね。パパもママも一生懸命探してたのよ」
よほど赤ちゃんのお世話が大変だったらしく、疲労の色が見えているウェンディたち。
「さ、ママの下に帰りなさい」
ルーシィさんが彼女をお母さんに手渡す。すると突然、先程まで静かだった赤ちゃんが大泣きし始めた。
「これは・・・あなたたちのことが大好きになったみたいですね」
赤ちゃんは自分のお守りをしてくれたウェンディたちとお別れしたくないようで、泣き始めたらしい。よく見ると確かに赤ちゃんは手を彼女たちの方に伸ばしている。
「そんは・・・たった半日面倒を見ただけなのに」
「純粋な子供であるからこそ、人の感情に敏感なのよ」
「その通りだと思いますよ」
「あなたたちの好意が、しっかり娘にも伝わったんですね」
彼女のために相当ウェンディたちは苦労したのだろう。そしてその苦労を感じ取った赤ちゃんは、彼女たちに対する信頼で返す。といったところなのかな?
それから、泣き疲れて眠った赤ちゃんを抱えた夫婦を手を振って見送る俺たち。特にウェンディとジュビアさんは一生懸命手を振っていたのが妙に印象に残っている。
「子供か・・・あたしにもいつかあんな可愛い赤ちゃんが・・・」
「なんだ、もう解決したのか?」
ブツブツと一人言を喋っているルーシィさんの後ろから、親探しをしていたナツさんが現れる。
「な・・・ナツ!?」
「親が見つかったなら早く教えてくれよ。俺も赤ん坊とちゃんとお別れしたかったぞ!!」
ほとんど赤ちゃんと関われなかったナツさんはとっても残念そう。アスカちゃんのお守りもしてたし、意外と子供好きなのかな?
「で、何ボソボソ言ってたんだ?」
「あ・・・あんたには関係ないわよ!!」
顔を真っ赤にして怒鳴るルーシィさん。その隣ではジュビアさんがグレイさんとの子供を想像して顔を赤くさせている。
「シリル」
「ん?」
服の裾をつかんで俺の名前を呼ぶウェンディ。よく見ると、彼女も顔が赤い気がする。
「私もいつか・・・あんな子供が欲しいな」
俺とは別の方向を見ながら恥ずかしそうにそう言うウェンディ。俺もあんな子供が欲しいなぁ・・・どっちに似た子が産まれ―――
「あれ?」
そこであることに気付いた。よく考えたら、子供を作るということはその前段階があるわけでして・・・
「・・・」
思わずウェンディの顔を見つめると、彼女も視線に気付いたのかニコッと微笑んでくれる。それを見た瞬間、なぜか鼻血が吹き出してき
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