はぐれそうな“天使”を救え
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しまう。その隙に、赤ちゃんを掴んだ鳥を先頭に空へと飛び上がっていった。
「何!?あの鳥の群れは・・・」
「しまった!?上空に・・・」
もう手が届かない位置まで上っている鳥の群れ。ジュビアさんの話だと、奴等はどうやら集団で行動して人間の貴重品を盗むのが得意な魔鳥らしい。俺たちが大切に抱えてたから、赤ちゃんを貴重品と勘違いしたってことなのか?
「くっ・・・あの高さだと捕獲できん!!」
「だったら」
飛び上がった鳥を見て空へと向かっていく一つの影。
「もっと高いところから奪い取るまでです!!」
「ぐぇぇっ!!」
シャルルに持ち上げられたウェンディが、天竜の砕牙を鳥へと放ち、赤ちゃんを奪還する。
「ウェンディ!!」
「ナイス!!」
「よくやった。だが・・・」
赤ちゃんを奪い取ったことで他の魔鳥たちに囲まれているウェンディ。あの子を抱えたままだと戦えない。だったら・・・
「セシリー!!」
「おっけ〜!!」
セシリーにつかんでもらって空へと飛び上がり、ウェンディの前へとやって来る。それを見た魔鳥たちは一瞬驚いた顔をしている。
「アクアドライブ」
全身に水色のオーラを纏わせ魔力を高める。それを見た魔鳥たちは怯えながら、その場から慌てて去っていく。
「あの魔鳥たち堅実〜」
「勝てないとわかったらすぐ諦めるのね」
ゆっくりと地上に降りながら後ろの猫二匹がそう言う。戦ってもなんとか出来たと思うけど、赤ちゃんが近くにいたからこれでよかったんだ。その狙いもあったしね。
「ありがとね、シリル」
「ううん。当然のことだよ」
屈託のない笑顔でお礼を言うウェンディ。彼女のおかげでセシリーを使って選択肢が思い付いたから、彼女のおかげでもあるんだ。完全にあいつのこと忘れてたから。
「エルザ!!」
エルザさんを呼ぶ聞き覚えのある声。俺たちはそちらに視線を向ける。
「ミラか、どうした」
そこにはミラさんが片手に依頼書を持ちながらこちらにやって来ていた。
「緊急の依頼書が届いてね、みんなを探してたの」
そういって彼女がその依頼書を俺たちに見せてくる。そこには【鳥にさらわれた我が子をどうか見つけてください!!】と書いてあり、子供の写真が載っていた。
「「「「「あぁ!!この子の!!」」」」
その写真の子は今ウェンディが抱えている女の子だったのだ。
「あら、その子とそっくりね」
「「「「「やったぁ!!」」」」」
探していた親が見つかって大喜びの俺たち。心配しているであろう両親にすぐさま連絡をいれ、ギルドに迎えに来てもらうことにした。
「「見つけてくださってありがとうございました!!
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