はぐれそうな“天使”を救え
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ない。
「どこにいんだ?子供の親は」
すると、目の前にさっきのナツさんと同じように、お店のテーブルの下を覗き込んでいる上半身裸の男の人がいた。
「グレイさんまで何やってるですか!?」
突っ込まないようにと決めていたのに、もう止めることができなかった。だっておかしいじゃん?二人揃って同じことしてるなんてさ。
どうやらまじめに探していたのは俺だけだったようで、二人はいるはずのないところを見て回っていただけだったようだ。そりゃあいくら探しても見つからないわけですよね。
「シリル!!」
呆れながら親探しへと戻っていると、こちらにかけてくるウェンディが目にはいる。
「あれ?赤ちゃんは?」
赤ちゃんのお守りをしているはずのウェンディがここにいるってことは、もしかしてと思い質問してみる。
「私たちもあの子のお母さんを探すことにしたの」
どうやら俺たちがなかなか見つけられないから、ウェンディたちも親探しに来てくれたらしい。なんだか申し訳ない気分です・・・
なので、二人でしばらく回ってみることにしたのだが、それでもなかなか見つからない。なんでこんなに見つからないのかな?
「どうだった?」
ウェンディがルーシィさんたちと合流する場所を決めていたらしく、俺もそこについて行ってみることにした。そこにはちょうどジュビアさんやエルザさんもやって来たところだったらしく、それぞれが聞き込みした情報を交換しあう。だが、誰一人として手掛かりを見つけることが出来ていなかった。
「あーうー」
「大丈夫。心配しないで。絶対パパとママと会わせてあげるから」
ルーシィさんの腕の中にいる女の子に諭すように彼女がそう言う。すると赤ちゃんの体が、大きな鳥によって持ち上げられていることに気が付いた。
「へっ!?」
「クエ?」
完全に気配を消していたために鳥が接近していることに気付かなかった俺たち。赤ちゃんを掴んだ鳥は、バレた途端に大急ぎでその場から離れていく。
「きゃっ!?」
「ちょっと!!」
「待て!!」
赤ちゃんを拐われた俺たちは黒い鳥を追いかけ始める。
「何なんですか!?あの大きな鳥は!!」
「空に上がる前に捕まえるんだ!!」
「了解です!!」
運よく鳥はまだ空へは飛び上がっていない。空に飛び立たれたら何も出来ないから、捕まえるには今しかない。そう考えた俺とエルザさんは一気に加速して鳥との距離を詰める。
(よし!!)
(届く!!)
飛び上がる直前に手が届く距離にまでたどり着くことが出来た。しかし、伸ばした手に別の黒い鳥がやって来て弾かれてしまう。
「うわぁ!?」
「なんだ!?」
気が付くと、目の前にはかなりの数の鳥の群れが迫ってきており、怯んで
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