はぐれそうな“天使”を救え
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愛らしい仕草や表情は、まさしく“天使”と言っていいだろう。
「俺もウェンディとこんな赤ちゃんが欲しいなぁ」
ゆりかごみたいに体を揺らしながらそんなことを考えている俺。いつかウェンディと結婚したら、こんな風に子供を授かる日が来るのかな?
「シリルにずいぶんなついてるみたいだな」
「年齢が近いからですかね?」
グレイさんが赤ちゃんに人差し指を向けてみる。すると、彼女は機嫌がいいのか、まだまだ小さなお手々でそれを握りしめている。
「「「「おはよう(ございます)」」」」
グレイさんと一緒に子供をあやしていると、入り口の方からウェンディたちの声がしたのでそちらを向く。そこにはウェンディと一緒にフェアリーヒルズに住んでいるシャルルとセシリー、それにジュビアさんとエルザさんと、偶然途中であったのか、ルーシィさんもいた。
「おう。来たか。待ってたぞ」
「おはようございます、皆さん」
赤ちゃんを抱えたまま挨拶を返す俺たち。しかし、彼女たちは俺とグレイさんを見た瞬間、固まっていた。
「なんだ?あの赤ん坊は・・・」
エルザさんがボソッと俺が抱えている小さな小さな女の子を見て不審そうな目をしている。どうやら彼女たちが黙っていたのは、この赤ちゃんか原因のようだ。無理もない。俺も最初は全く同じ反応をしていたのだから。
「シリルとグレイが抱えてるってことは・・・」
「まさか二人の子供では・・・」
「あっ!!ダメよエルザ!!」
すると、エルザさんとルーシィさんが妙なことを口走り始めた。
「ちょっと!!この子は―――」
明らかに勘違いしている二人に事情を説明しようとする。しかし、彼女たちの後ろではもっとすごい反応をしている少女たちがいたので、思わず言葉を飲み込んでしまう。
「グレイ様が・・・シリルと・・・」
「シリルが・・・グレイさんとの子供を・・・」
顔を真っ青にして涙目になっているジュビアさんとウェンディ。二人はエルザさんたちと同じような勘違いをしているようで、呼吸困難に陥っていた。
「ウェンディ!!これは違う!!違うから!!」
苦しそうに息をしているウェンディ。このままでは死んでしまうと思った俺が誤解を解こうと歩み寄る。しかし、少女は俺の腕の中にいるものを見て、涙目から大号泣へと変化していた。
「シリルがグレイさんと〜!!」
「グレイ様がシリルとあんなことを!!」
第三者side
ある日、グレイに誘われるがままにシリルが彼の家へと遊びにいく。
「入れよ、シリル」
「お邪魔しま〜す」
グレイが扉を開けシリルを招き入れる。靴を脱いで家の中へと入っていくシリル。すると突然、グ
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