第四十八話 石川少佐!ポエムはいいぞ!!その十四
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定家さんは二人にだ、真面目な顔で告げた。
「奈良の鹿は春日の使いですぞ」
「ああ、わかってるよ」
「神様の使いだよな」
「だからこんなに態度でかいんだよな」
「神様が後ろにいるからな」
それで誰も手を出さないからだ。
「こんなに偉そうなんだな」
「ったく、鹿を甘やかすな」
「あとこの馬は天理大学から呼んだのかよ」
「あそこ馬術部あるからな」
そして厩舎もあるのだ。
「天理市からわざわざ来たのかよ」
「見ればいい馬だな」
「速く走れそうでな」
「食っても美味そうだ」
何度も書くが美味である、馬肉は。
「銀の匙でも出てたけれどな」
「馬はいいぜ」
「この連中は可愛くねえが可愛い生きものだぜ」
「あの漫画の中だとな」
何故か天理高校とあの作品の高校は似ている、作者が見たところ。
「まあとにかくな」
「鹿も馬も来てか」
「俺達に負けろって言ってきたな」
「しかもその鹿が最後の題目か」
「それになるんだな」
「何度もお話した通りです」
定家さんもむっとした顔になっている。
「というかお話が進まないので」
「ああ、さっさとやれってか」
「いつもみたいにぐだぐだ言ってないで」
「それで和歌詠って」
「ちゃんと話を進めろっていうんだな」
「そうです」
その通りだとだ、定家さんはまた答えた。
「宜しいですね」
「ああ、わかったぜ」
「じゃあ書くか」
「もう歌は浮かんだしな」
「さっさと書いてやるか」
こう言って書こうとする、だが。
ここでだ、二人でだった。あれこそれと話をしだした。
「いいな」
「ああ、今回もな」
「やるぜ」
「お約束ってやつをな」
この作品における、である。
「やってそして」
「勝つか」
「ああ、互角の状況だとな」
「策が決めるからな」
それ故にというのだ。
「やってやろうな」
「それでその策はな」
「ああ、こうしような」
「それいいな」
こう話してだ、そのうえで。
二人はまずは自分達の歌を詠った、そして。
突如だ、二人同時に印を結んで叫んだ。
「出やがれ紙切り!」
「紙燃やし!」
こう叫ぶとだ、急に。
何処からか妖怪髪切りそっくりの赤と白のそれぞれの小さな妖怪達が来てだった、瞬と石川の紙札に襲いかかり。
切り燃やした、それを見て二人は言った。
「よし、紙がないとな」
「書けないよな」
「詠っても書き残さないとな」
「その紙がないと駄目だろ」
まさにそこを衝いたのである。
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