第四十八話 石川少佐!ポエムはいいぞ!!その十三
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「次の題目は菊です」
「よし、花か」
「早速詠むか」
「若草山からは菊は見えないけれどな」
「謡うとするか」
二人は和歌に戻った、そして再び歌を詠み。
勝負を続けていった、今回も双方互角のまま。
最後の題目の時が来た、すると勝負の場に。
鹿達が来た、奈良県を象徴する鹿達が我がもの顔で徒党を組んでやって来てだ、山の至るところで草を食い横になりだした。
二人はその鹿達を見てだ、定家さんに尋ねた。
「最後はこの連中だろ」
「この連中を詠えってんだな」
「奈良っていったらお約束の」
「こいつ等だろ」
「はい」
その通りだとだ、定家さんも答える。
「そう考えています」
「けっ、やっぱりそうかよ」
「悪名高く春日の糞鹿共がトリかよ」
「この連中本当に態度悪いんだよな」
「何様だって顔でいつもいやがるんだよ」
その奈良市にだ。
「餌幾らやっても子供の弁当とかおかつ強奪するしな」
「雑誌だって食うしな」
「肉まで食うんだぞ。弁当の中の」
「何でも食うんだぞ」
「ちょっと悪戯したら油断した時に後ろから仕返ししたりしてな」
「最悪過ぎるだろ」
「どれだけ性格悪いんだよ」
今回も奈良の鹿達への不満を言う二人だった。
「その連中がトリか」
「何かすげえ嫌だな」
「まあ勝負だから謡うか」
「鹿共感謝しやがれ」
不平不満たらたらの二人にだ、鹿達はというと。
何処からか馬の群れを案内してきてだ、自分達と一緒になって。
二人を前足の蹄で指し示した、つまりは。
「馬鹿か」
「俺達を馬鹿だって言いたいんだな」
「・・・・・・・・・」
鹿だけでなく馬もだった。
一斉にだ、右の前足を人間めいた動きで上にやって来た。二人はそれを見てすぐにどういった意味の動作かわかった。
「ファックユーかよ」
「くそったれか」
「偶蹄目も奇蹄目もかよ」
「俺達に負けろっていうのか」
「・・・・・・・・・」
無言で頷く鹿と馬達だった、二人を蔑んだ目で見つつ。
そしてだ、日帝衆の二人にはこう言うのだった。
「ヒヒーーーン!(勝って下さいね!)」
「ヒヒーーーー!(応援してますよ!)」
彼等にはこうだ、二人はその様子を見て思った。
「俺達には言う価値もねえ」
「ただ負けて欲しいか」
「そういうことか」
「ったく奈良の獣共が」
「鹿刺、馬刺にしてやるぞ」
「どっちも美味いからな」
作者が食べて確かめたことだ。
「どっちも大蒜とか生姜醤油で食うんだよ」
「それが美味いんだよ」
「鹿は美味いんだよ」
「馬もな」
このことは本当のことだ。
「そうするぞ」
「それで飲む酒はワインだ」
「馬とか鹿だと赤でもいいかもな」
「普通刺身は白だけれどな」
魚介類の刺身
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