3部分:第三章
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第三章
「それはしっかりと守ることね」
「食べ過ぎないこと?」
「そう、それ」
智巳はそれも言う。
「それもよ。わかったわね」
「満腹感はいいのよ」
「あれ、お腹一杯でいいの?」
「栄養とカロリーさえあればね」
「ふうん、そうなの」
「あんた今まではあれだったでしょ」
智巳は真由子に顔を向けて問う。
「碌に食べずに無茶苦茶に運動してたでしょ」
「ええ」
彼女の言葉にこくりと頷く。
「そうだったのよ」
「それ全然駄目だから。いい?」
「うん」
その言葉にもこくりと頷く。その通りだったのだ。
「そうよ。それは駄目だったの」
「ダイエットはね。科学なのよ」
自分の持論を述べる。クールな声だった。
「わかるわね」
「ただがむしゃらにってだけじゃないのね」
「ああ、全然駄目だから。だからなのよ」
「成功しなかったのは。だから」
やっとわかったのだった。それがわかり。今までのことが空しくなるがそれ以上に目から鱗が取れた。そんな感じだった。
「だからだったのね」
「わかったら話は早いわ。それじゃあ」
「ええ。まずは朝早く起きて」
まずはそれだった。
「ランニングしてなのね」
「頑張りなさい」
クールに智巳に述べた。
「ウェディングドレスを奇麗に着たいんでしょう?」
「ええ」
その気持ちには変わりない。だから今こうして話もしているのだ。
「だから」
「私も付き合うから」
「いいのよ、そんなの」
それは断る。幾ら何でも悪いと思ったのだ。これは彼女の気遣いだった。
「そこまでしてもらわなくても」
「いいのよ。だって私も」
「智巳も!?」
「丁度ダイエットしないといけなかったし」
「貴女はそうは見えないけれど」
怪訝な顔で智巳に問う。本気でそう思えなかったのだ。
「それでもって」
「色々と事情があるのよ」
無表情で真由子に答える。
「色々とね」
「!?どういうこと?」
真由子は今の智巳の言葉の意味はわからなかった。目を白黒させていた。
「話がよくわからないんだけれど」
「そのうちわかるわ」
やはり言おうとはしない。
「だから今はね」
「そうなの。けれど本当にいいのね」
ここまで話してまた智巳に尋ねる。
「一緒にダイエットして」
「家が近所同士だし丁度いいじゃない」
やはり答える声はクールなままだった。
「そうでしょ?都合がいいとそれに乗ることよ」
「それになのね」
「じゃあ御願いね」
「ええ。それじゃあ明日からね」
「わかったわ。二人でね」
こうして二人でダイエットをすることになった。まずは朝早く起きてランニングをしてしっかりと朝食を摂る。仕事場でもできるだけ歩い昼食は弁当だ。夜は早いうちに夕食にしてそれから
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