第四幕その十一
[8]前話 [2]次話
「それもかなりね」
「ラーメンにですね」
トミーはまずはこちらの名物を出しました。
「ジンギスカン鍋に」
「それに蟹だからね」
「どちらの蟹を食べますか?」
「難しいところだね」
ズワイガニか毛蟹かというと、というのです。
「それはね」
「そうですか」
「どちらの蟹も評判だからね」
「それなら両方食べようよ」
これが王子の提案でした。
「ズワイガニも毛蟹もね」
「どっちもなんだ」
「そうしようよ」
「確かに両方食べればね」
「悩むこともないよね」
「そうだね、じゃあ」
「お金もあるし」
両方の蟹を食べるだけはです、先生にも王子にも。
「いいと思うよ」
「どちらかで迷ったら」
「お金と時間に余裕があったらね」
その時はというのです。
「両方にすればいいんだよ」
「それが王子の考えだね」
「そうそういつも出来ることじゃないけれどね」
どちらかと言われて両方選ぶことはです。
「けれどそれが出来る時はね」
「両方だね」
「選べばいいじゃない」
こう笑って言うのでした。
「欲張ってね」
「王子は欲張りじゃないけれど」
「確かにね。お金や土地やお宝にはそうでも」
「食べることにはなんだ」
「そうなんだ」
「そんなに食道楽でもなかったのに」
「それが変わったんだ」
イギリスにいた時とは違ってというのです。
「日本に来てからね」
「食べることが大好きになったんだね」
「そうだよ」
まさにその通りといった返事でした。
「今の僕はね」
「じゃあ明日からの札幌では」
「どっちの蟹も食べようね」
「ラーメンもジンギスカン鍋も食べて」
「そうしてね」
「そうそう、デザートですけれど」
王子はこちらのお話も忘れていません。
「函館からメロンや乳製品を食べていますけれど」
「それとだね」
「はい、そちらも楽しみましょう」
「札幌でもね」
「勿論このお店でもです」
「デザートはだね」
「メロンか乳製品か」
「そういうのをだね」
「お昼もメロンありましたね」
ホテルでのビュッフェで、です。
「夕張メロンが」
「あのメロンはやっぱり美味しいね」
「ですから今度は乳製品ですね」
「ヨーグルトやチーズケーキだね」
「そうしたものを食べましょう」
「最後はね」
「このお寿司も美味しいけれど」
数の子のお寿司を食べつつ言う王子でした。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ