三十五話:予言
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過去を背負っている。エリオはフェイトのようにオリジナルの人間のコピーとして作られた人間であり、親から捨てられた。
キャロは幼き頃より開眼していた大きすぎる力を恐れた部族の長から追放され管理局の下に来た。どちらも大人に翻弄された幼い犠牲者であった。しかし、フェイトが二人を引き取ったことで救われた。
二人にとってはフェイトは言葉で言い表せないほどの恩人なのだ。そのことを思い出しながら自分もヴィヴィオにとって二人のフェイトのような存在になれればとなのはは思う。
「それでは僕達は失礼します」
「うん。ほら、ヴィヴィオも二人にバイバイしよっか」
「ばいばい」
「またね、ヴィヴィオ」
ヴィヴィオに手を振らせて二人にお別れの挨拶をさせるなのは。そんな姿に二人は本当の親子みたいだなと内心思い、同時にフェイトのことを思い浮かべていた。誰かの家族を見ると自分の家族と会いたくなるのはどうしようもないことである。
「ヴィヴィオ、今日は二人と何してたの?」
「えほんをよんでもらったの」
「そっか、面白かった?」
「うん! ママもよんで!」
「はいはい、ちょっと待っててね」
キラキラとした目で絵本の読み聞かせをねだってくるヴィヴィオ。自分も小さい頃はこんな風に絵本を読んでもらっていたのだろうかと思いながら上着を脱ぎ、掛ける。その間にも自分から離れようとしないヴィヴィオに苦笑したところでふと気づく。
自分もこんな風に甘えていたかった。大好きな母に父に、兄に姉に甘えていたかった。今ではすっかり割り切れていることであるが子供の時はいい子であろうとし過ぎたために甘えることをしなかった。この子にはそんな思いはして欲しくない。相手がもういいと思うほどに構ってあげよう。
「今日はヴィヴィオが寝るまでいっぱい遊ぼうか」
「わーい!」
そう心に決めてなのははヴィヴィオから絵本を受け取るのだった。
ミッドチルダ中央にそびえ立つ地上本部の塔。その最上階には地上の守護者であるレジアス・ゲイズが居る。彼には魔法の才はない。しかし、その類いまれな政治的手腕と過激とも受け取られる正義感から中将の地位まで上り詰めた男である。
ギリギリの予算でミッドチルダを守るために常に黒い噂が付きまとうようなことを行ってはいるがそれは全て地上を守るためである。そのため、彼の強い信念を知った者達は皆彼を慕い付き従う。カリスマという一点でいえばかの三提督にも引けを取ることはないだろう。
そんな彼が今目をつけているのが先日市街区で派手な戦闘を行った六課である。海と本局が敵である以上相手を攻撃するためのネタを探すことには余念がない。こうした個人的な志向もあり秘書には自分を理解している娘を置いている。赤の他人であれば過激す
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