1部分:第一章
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うよりかはできるの?」
そこを真由子に問うてきた。
「あんたが。本当に」
「何か随分ときつい言い様ね」
「だって当たり前じゃない」
また言ってきた。
「今まで私ね」
「ええ」
ここでは智巳の言葉を聞く。しっかりと。
「何度も聞いたわよ、その言葉」
「そうだったかしら」
「そうよ。記憶にあるだけでも五回目」
回数まで述べてみせる。言葉の感じがさらにクールになってきていた。
「五回よ。それでその五回が全部失敗してるじゃない」
「そうだったかしら」
「そうよ」
やはり言葉には容赦がない。本当に親友なのかと勘繰ってしまうレベルでの冷たさであった。それはまさしく氷の言葉であった。
「五回も。それも最初の段階で」
「記憶にないわ」
「私は記憶にあるのよ」
こう言って真由子を見る。目は細く少し吊り気味で肌は白い。黒い髪は短くしている。眉の形もよく鼻も低くはないすっきりとした形だ。口はやや大きく紅い。全体的にいい顔立ちをしている。ところがであった。また随分と太っていた。そのせいでどうにも美人と言うのとは少し違う感じになっていた。
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