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銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
第四十八話 襲撃(その2)
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ちらのフロイラインが皇帝になる事はありませんからね」
「…な、なにが望みだ、地位か、金か」
「そんなものは要りません。私の質問に答えてください」
ついに侯爵は少将の前に屈服した。肩を落として諦めたように答える。
「……何が聞きたい」
「まず最初に、オッペンハイマー伯を呼んだのは閣下ですか?」
「違う、私は呼んではおらん。本当だ、こいつが勝手に入ってきたのだ」
侯爵はオッペンハイマー伯を見て吐き捨てるように言った。
「では屋敷の門を開けたのは誰です?」
「…」
「お答えください」
少将の声は優しげだが、追及が止まる事はなかった
「…私が開けるように命じた。だが、オッペンハイマー伯が大事な話があるといってきたのだ」
「憲兵隊に屋敷の警備命令が出ていました。不審には思わなかったと?」
「憲兵隊副総監が大事な話が有ると言ってきたのだ。てっきり警備の事かと思った、本当だ」
確かに普通はそう思うわね。
「オッペンハイマー伯は一人でしたか?」
「いや、彼らと一緒だった」
リッテンハイム侯はそう言うと貴族たちのほうへ顔を向けた。
「その時点でおかしいとは思いませんでしたか?」
「そ、それは、オッペンハイマー伯が便宜を図ってくれたと思ったのだ。おかしなことでは有るまい。憲兵隊副総監の前で話をするのだ。何も問題は無いと思った」
「オッペンハイマー伯は何を言いました?」
「…」
「閣下、死体袋に入りますか?」
少将の言葉に侯爵は顔を歪めた。諦めたように言葉を出す。
「…次の皇帝はサビーネだといった。自分がいる限り心配ないと」
「警備を緩めるという事ですね」
「そうだと思う」
「エルウィン・ヨーゼフ殿下の暗殺を相談したのはその後ですか?」
「ち、違う、そんな事は話しておらん」
「では、エリザベート・フォン・ブラウンシュバイク?」
「話しておらん、本当だ」
本当に話していないようだ、凄く慌てている。
「では何を話しました」
「…サビーネが皇帝になればうれしいと、そう言った。本当だ、それだけだ」
「御自身がどれだけ軽率な事を言ったかお判りですか?」
「?」
「常日頃の事なら無邪気な発言で済みます。しかし、今は陛下が御病床にあられるときです。閣下の仰った事は謀反と同義語です」
「な、なぜだ」
「エルウィン・ヨーゼフ殿下はルードヴィヒ皇太子の御子息です。いわば嫡流、皇位を継ぐべき立場のお方なのですよ。一方、こちらのフロイラインは降嫁されたクリスティーネ様が生まれた子です。つまり臣籍に有る。その方が皇位に就くには、エルウィン・ヨーゼフ殿下を排除するしかありません。違いますか?」
確かに少将の言うとおりだ…。
「…」
「閣下が仰ったのは、陛下はもう長くない。自分の娘サ
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