暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜最強のお人好しと黒き羽〜
第八話 指切りの約束と、四月の空模様
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なんて疑問に思っている私を他所に、彼は何かに気づいたように空を見上げた。
「っと、雨が降りそうだな」
「あ、ホントだ」
「ちょっと引っ張るぞ」
「え……あっ」
曇ってきた空に慌てた彼は、私の左手を握って走り出した。
驚いた私は、しかしまた不思議な感覚に襲われた。
(なんで、ドキドキするんだろ……)
彼に握られた左手はとても温かくて、握られている私はドキドキして。
でも、それは決して嫌な感覚じゃなくて、嬉しいって思った。
心臓は今までにないくらいバクバクと動いてて、左手に伝わって彼に聴こえていないか心配で。
(なんだろう、この気持ち)
彼一人に、私の心は左右されていく。
不安になったり、苦しくなったり、嬉しくなったり、期待しちゃったり。
(ホント……ずるいよ、私ばっかり)
彼はきっと、何も知らない。
私がこんなにも悩んでいることを。
君一人に、こんなにも心を狂わされているってことを。
私の、晴れたり曇ったりの、四月の空模様なんて……彼は、気づいてくれないだろう。
「……雨、降ってきたね」
「大丈夫、すぐ止むさ」
「ホントに?」
「だって雲の上は、いつだって晴れた空なんだからさ。 雲さえなくなれば、また晴れだすさ!」
だとしたら『この雲』が晴れるのは、いつのことなのだろう――――。
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