転生天使にラブソングを
天使の仕事に興味を持った悪魔二人
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とイリナは互いに頷きながら言う。
「知ってると思うが、ガブリエルの司るカードはハート。シスター・グリゼルダはハートのQだから、皆からは『クイーン・オブ・ハート』と呼ばれている」
「ちなみに私はミカエル様のAだと言う事は知っていると思うけど、ミカエル様の司るカードはスペードとなっている。私もシスター・グリゼルダもトランプの札の中では有力なカードとされているのよ」
ハートのQにスペードのAの転生天使が揃うここは、天使にとって重要拠点とされている。だが何故イリナがスペードのAなのかは俺でも分からない。きっとミカエル自身による考えがあるんだと思うし、本来であれば七つの大罪の一つである色欲が強い悪魔とされていて、それにプラスされてドラゴンと言う事で『色欲を持った悪魔でドラゴン』と言う卒倒しそうなフレーズである。
『シスター・グリゼルダは悪魔にとって厳しいんだったよな?』
『そうね。何せ同盟前までは主の為、天の為、悪魔や堕天使と戦ってきたからね』
『キリスト教全派閥内、特に女性エクソシストの中で五本の指に入ってたからなー』
『悪い方ではない事は知ってると思うけど、シスターも和平後から悪魔への冗談言う程だしねー』
俺とイリナは互いにシスター・グリゼルダを見てきた者であり、悪魔相手に悪魔祓いの猛者シスターでもある。言葉とは裏腹に悪意を感じないので、冗談混じりの挨拶でもあるから必然的に俺の事も知っている。
「さて、次は・・・・ゼノヴィア」
シスターの視線がゼノヴィアに移った事で、本人は口元をひくつかせて目線を外そうとしていたが途端にシスターが歩み寄って顔を両手で固定される。ニコニコフェイスでありながらの真顔は、なかなか迫力がある声でシスターはゼノヴィアに言った。
「お久しぶりね、戦士ゼノヴィア。まさか、こんな所で再会出来る何て思ってもみませんでした」
声音は冷静だけど、怒気も含んでいるのでここからお説教タイムにでもなるのか?と俺とイリナはそう思った。
「・・・・や、やあ、シスター・グリゼルダ。ひ、久しぶりだね・・・・げ、元気にしていたかな・・・・?」
「元気にしていたかな、じゃないでしょう?何で任務の為、日本に向かったまま帰還せずに悪魔に転生しているのでしょうか?しかも今日の今日まで連絡は一切無しとは如何なものかしら?あえて今日貴方に言葉を投げかけるなら・・・・どの面下げてここに来たと言うべきかしらね・・・・!」
声を震わせて顔中汗だらけのゼノヴィアを初めて見るが、顔を掴む手に力が入っているので語気も荒げてヒートアップしている。先程の優しげな印象から一転、凄まじきプレッシャーが室内を支配していたので、俺とイリナはアーシアに追加情報を告げたのだった。
「実はな、シスターとゼノヴィアは
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