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ソードアート・オンライン〜Another story〜
マザーズ・ロザリオ編
第226話 森の家
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ての SAO時代、血盟騎士団だった頃ばりに、遮二無二にコルを集めて備えてきたんだ。


 そして、――その時は来た。


 とうとう待ちに待った世界への入口が 12月24日の夜に開かれた。

 その日、事情を知るメンバーたち、キリト、リュウキ、クライン、シノン、リズベット、シリカ、リーファたちの9人でパーティを組み、解放を祝うファンファーレが響き始めたときにはもう上層への階段を駆け上がっていた。

 かつての22層は、ほぼ森しかない過疎なフロアだ。主街区の村にも、プレイヤーハウスは幾つも用意されている為、湖畔の傍にあるログハウスを狙うライバルは……、互いを、姉妹を除けばいないだろうと思われる。
 現に、以前も人気があまり無かった為、容易に《静かで人気の無い森の家》を新居として購入出来たのだから。

 兎も角、ノーム領土空に移動をしているアインクラッドに押し入り、突風の如き速度で21層フィールドを駆け抜けた。ほかの攻略パーティと共同で、迷宮区のフロアボスに挑んで……、構成的に言えば、半分以上が治癒術士(ヒーラー)と言うビルドでありながらもこれまた疾風怒濤の勢いでフロアボスのHPを削っていった。

 かつてのSAOとは比べ物にならない程の強さを備えられているフロアボスなんだけど……? と運営側の声が、空から聞こえてきそうな気がしたが、まるで気にしない。

 早々に、ヒーラーの役割を放り捨てる様に、アスナは超接近。
 レイナに至っても、歌声を響かせながらも、移動をし、超接近戦に備えている。

 両者の姿は圧巻だった。
 中でも音妖精族(プーカ)は その場にはレイナしかいなかった事もあり、姉をおいて1番目立っていた、と言えるだろう。……どんなパフォーマンスだ? と周囲は思えるが、それでも美しい声を響かせるから、プレイヤーたちの間を縫って、歌を披露する姿は、ライブなのか? と錯覚をしてしまう程だ。

 岩石巨人の姿のフロアボスを、最終的には目も眩む閃光の如き速度で繰り出した一撃。いや、殆ど同時に放った一閃が、死後のHPゲージを喰らい尽くした。

『昔の血盟騎士団の副団長殿とその補佐殿よりも全然すごかった』

 と、後々にクラインが称したのも言うまでもない。
 今回は、残念ながらパーティメンバーから溢れてしまったエギルも。

『補佐殿は、副団長殿を抑える役目だった気がするケド……、今回、どっちがどっちか判らなくなった』

 とまで称していた。
 元々の容姿もあるだろうけれど、それでも、それ以上に肉薄していた様だった。

――………動きも、そして何より、想いの強さも。

 そして、フロアボスを倒し、もう……夢にまで見た。ずっと描き続けた。――……きっと待っていてくれる、と信じ続けた 22層。

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