第一話ー滅魔士ー
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俺も大好きだ。是非参加する。にしても、良い村だ……のどかで、平和で。魔素もほとんどないし魔も出ないだろーよ」
「え、えぇまぁ。お蔭さまで平和に細々とではありますが、ねぇ」
魔の話をした途端、一瞬だけじーさんの顔が曇った。その一瞬の曇りを見逃さなかった俺は、何か問題があるのかと思ったが何事もなかったかのように笑顔に戻ったので気に留めるだけにしておこうと会話を切り上げる。
と、そこに丁度よくエレナが着替えを済ませて出てきた。
「お待たせしてすみません滅魔士さん……ってあら、お爺様じゃないですか。どうしたんですか?」
エレナの服装は緑を基調とし、襟元に白い網目の模様があしらわれた服に、膝上のズボン。歩きやすいように踵までしっかりとカバーされた茶色のサンダルだ。
パッチリした目に高い鼻といい、服と合わさり清楚な雰囲気。
「特に何かあるわけではないぞ。ただ通りかかってな。にしてもなんじゃ、滅魔士さんとお出かけか!」
「えぇ、ここらの案内をと思いまして。夜までには帰りますので心配なさらず」
エレナの丁寧な性格は礼儀正しいじーさん譲りなのだろうと俺は思う。
その後二人は少しだけ仕事、というか内輪話をした後、では失礼。と告げてじーさんはどこかへ行ってしまった。おそらく夜に向けて準備するのだろう。
そんな二人の内輪話をしている間、俺はふと周りの畑や広場を見たが何か違和感を覚えた。が、それがなんなのかすぐには分からず気が付けばエレナが不思議そうな顔で俺を覗き込んでいた。
「……あ、あのぉ滅魔士さん?どうかされました?」
「お、悪い悪い。少し考え事してたわ。それじゃ、さっそく案内してくれや」
「はい!それじゃまずは……」
――――――――――続く
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