第二部 過去と今
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ださいな。数時間ほどで結果が出ましょう。」
「そうか、ありがとう槙陽。立ち話もなんだから応接間で話そうか。北上の娘の話もあるし彩樹の扱いの話もある。」
「はい、そうですね。私で力になるかわかりませんが、精一杯頑張りますね。」
大きなロビーかららせん階段を上がってすぐの部屋、応接間には既に結さんと淳義さんが待っていた。
「槙陽ちゃんいらっしゃい。大変な時にごめんなさいね。」
「ふふ、いいんですよ結さん。今の私の仕事は南海本部の外回りなんですから。」
大きな応接間に生徒会と槙陽さん、それに本部の三人がそれぞれ座る。
「まずは望月支部より先ほどの現象と北上沙夜のことについて説明するわね。」
結さんは部屋の明かりの落とし、手元のパソコンを操作して正面のモニターに望月の地図を映した。
「最初に時空波の歪みの件から。異常な時空波の発生源は月駒高校の屋上だったわ。そこから北は望月海岸、南は国鉄望月駅、東西は望月町を覆う広大な範囲にわたって歪みが発生したと考えられます。歪みの根源になった怪異は新型種【アルリュカ】と推測されたわ。北上領での出現が確認されていたことから北上側の人間はこの怪異の存在を知っているんじゃないかしら。望月支部で分かっている現象については以上。次に淳義さん、北上沙夜について説明をお願いします。」
次に淳義さんがパソコンを操作して今度はさっき会った北上さんの写真が映される。
「怪異師北上派北上本部所属、真人直の北上沙夜、ここまでは結さんから聞いただろうから補足程度に彼女のことについて説明しますね。彼女は北上の次期当主になる人間、南海派の人間についてあまり良くは思っていないだろう。それに、うちには彩樹くんがいる。きっとこのタイミングを見計らって望月にやってきたんだろう。どうかな、槙陽さん。」
淳義さんがそのまま部屋の明かりを点け、部屋の一番奥に座っている槙陽さんに問いかける。
槙陽さんは少し考える様子を見せて話し始める。
「そうですね、まず南海としての見解ですが、この現象と北上は全く関係はないと考えます。きっと北上には別の目的があってこの望月に訪れたのでしょう。それとあとは沙夜ちゃんのお話ですね。沙夜ちゃんは和弓の名手ですから。ソロ活動の時には和弓のほかに脇差を使ったりもします。武器の扱いは上手ですし、何年も怪異師をやっている方を暗殺したりだとかはよくある話です。北上派の人間は結構血の気が多いですから、沙夜ちゃんと交戦ということになったら苦戦を強いられると思います。」
確かに心当たりがあった。数年前に両親と別れてからこの望月に住みつくようになるまで北上派、それに北上本家の人間に何度殺されそうになったか。
それに、
「北上の標的は僕だけじゃないと思います。北上を裏切ることになった望月が狙い。そう考えても何らおかしくないと思い
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