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白夜
第二部 過去と今
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あんまり酷くないだなんてよく言えたもんだよ。」
「舞姫先輩、僕、これまでに何度殺されかけたと思ってるんですか? 」
「いやいや彩樹、全然自慢になってねぇし。しかも割とシリアスだからやめて? 」
「安心して嗣柚、今じゃ笑い話だから。」
「俺が笑えねぇよ! ていうかこう思ってるの俺だけじゃないと思う! 過去の境遇笑い話にしちゃダメだろ! 」
「朝からみんな元気やねぇ。一戦交えてるちゅうによくそんな騒げるわ。」
「元気なのは嗣柚だけですよ、氷撫さん。」
「え、ちょっ、俺だけ? 」
「はいはい、嗣柚はちょっと黙ってなさい? 」
「彩樹、最近俺の扱いひどくない? 」
「ほら、嗣柚は生徒会のいじられ役っていうかボケ役じゃん? 」
「そうだったの? 俺そんなの知らない……。」
「生徒会内の常識だろ? 」
「え? 結城先輩までそっちの味方? 」
「嗣柚に味方なんて初めからいないだろ? 」
「なんなのもう、みんなひどい……。」
「嗣柚、アンタも愛されとるねぇ。」
「氷撫さん、これって新しい愛の形なんですか……? 」
「そんなわけないやんか、みんなの本音やろ? 」
「一瞬でも氷撫さん優しいって思った俺が馬鹿だったー! 」
「大丈夫、愛故にだから。そうですよね、結城先輩? 」
「そうそう、嗣柚がこんなにボケをかましてくれなきゃいじるにもいじれないし。」
「もはや褒められてるのかどうなのかわからない! 」
「嗣柚くんそういう子だもんね。」
「いいじゃん、二人が相手してくれるだけましだよ。」
「なんでだろう、なんか褒められてるわけじゃないのに舞姫先輩と結友那ちゃんが優しい! 」
優しくなんかしてないしー、という結友那の追い打ち、これが生徒会の通常運転。
別に示し合わせてもないのに嗣柚がいじられ始める。
嗣柚自身もまんざらじゃないからすごいことだけれども。
「みんな、そろそろ着くから車の中に忘れものせんように準備しとくんよ? 」
一変、空気が少し引き締まる。
「とりあえず私たちは生徒会の活動ってことで公欠取っておいた方がいいわよね。白鶴先生に連絡しておくね。」
「ああ、舞姫悪いな。事を収束させるまで落ち着かないからな。」

望月の敷地内に着くと、電話をする舞姫先輩を除いて建物の中に入っていく。
やはりいつも来る時とは違い、緊迫した雰囲気が広がっていた。
「結城さん、それにみなさんもお疲れ様でした。」
ふんわりと巻かれた明るい色の髪にふんわりとした笑顔。
数回しか会ったことがないけれど、この人が南海槙陽(みなみまきよ)さんだ。さっきの北上さんとは正反対の印象を受ける。
「結さんに連絡を受ける前に本家を出ていたので皆さんをお迎えすることができました。南海の本部では既に望月の異常な妖気を分析していますから安心してく
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