第2章:異分子の排除
第22話「仲直りと決別」
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た手を自然と回避してしまいます。
「(....なるほど、桜さんの動きを散々見てきたのですから、これくらい、見切れるようになっていたんですね...。)」
少しばかりとはいえ、私は桜さん達に鍛えられています。
その成果が、ここにきてよく分かるように表れたのでしょう。
「っ....避けるんじゃ、ないわよ!」
「っ、っと、はっ...!」
再度姉様は掴みかかってき、避けた所を足払い、さらに追撃をしてきます。
それらを私はしゃがみ、跳び、後ろに下がる事で全て回避します。
...エーベルヴァイン家は貴族の中ではそれなりに有名です。
よって、命の危険もない訳ではなく、こうして体術の心得も持っている訳です。
....尤も、桜さんどころか秋十さんにも遠く及びませんけど。
「...学園内で暴力沙汰とは、随分と品性を疑いますね。」
「うるさいわね!」
....由緒正しきエーベルヴァインの血筋は、母様で途絶えてしまったのですね...。
「残念です。」
「あぁ、本当に残念だ。」
「っ!?」
またもや掴みかかろうとしてきた姉様の腕を、戻ってきた桜さんが掴む。
「万が一の可能性に掛けてしばらく様子を見ていたが、これはダメだな。」
「っ、なによ!離しなさい...!」
姉様が桜さんの手を振りほどこうとしますが、無駄です。
「上級生に襲われてる下級生を見つけたら、助けるのが普通だろう?」
「この...!っ、例の男性操縦者ね...。男風情が、私に触るんじゃないわよ!」
女尊男卑な性格だからか、桜さんを拒絶します。
「はぁ....ほらよ。」
「っ...!」
見かねた桜さんは手を離します。
「...ユーリちゃんは、既にお前を上回っているよ。信じられないなら、模擬戦でもすればいいじゃないか?」
「...ふん、指図されなくとも、いずれそうするつもりよ。」
そう言って姉様は私を睨んできました。
「....いいですよ。もう、腐りきった家には未練はありません。...叩きのめします。」
...多分、今までで一番威勢のいい発言で、姉様を睨み返します。
「母様の死を特に悲しみもしなかった者に、私は負けません。」
「っ...ふん。」
そのまま姉様は去って行きました。
「....ユーリちゃん。」
「大丈夫です桜さん。...これは、私が決めた事です。」
「...そうか。」
母様が死んだ時、エーベルヴァイン家に仕えていた人達は悲しみました。
...しかし、当の私以外の家族は、皆悲しむ事がなかったのです。
私を“出来損ない”と蔑む事無く、庇い続
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