第2章:異分子の排除
第22話「仲直りと決別」
[2/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ずっと今まで我慢してきた。私に追いつこうと努力してきた。...その時点で、私なんかよりも強いよ..。」
「....そう、なんだ...。」
安心したような、そんな表情を浮かべる簪ちゃん。
「...お姉ちゃん。お詫びとして、専用機が完成したら私と戦って。」
「...えっ?」
突然の戦いたいという言葉に困惑する生徒会長。
「....それが、あの時のケジメ。...どの道、私は無能じゃないって証明したかった。...だから、ケジメとしてお姉ちゃんが相手をして?」
「....わかったわ。それが、ケジメなら。」
互いに試合を行う事を了承する。
「...でも、生徒会長としても、お姉ちゃんとしても、負けるつもりはないわよ?」
「...本気でないと、こっちこそ困るよ。」
...ま、後は自然と和解していくだろう。
「...俺たち、蚊帳の外ですね。」
「まぁ、そう言うな。」
簪ちゃんの専用機を作る手伝いをしていた秋十君が俺にそう言ってくる。
今更だが、ここにはマドカちゃんやユーリちゃん、本音ちゃんもいる。
「お嬢様!」
「ぃいっ!?」
そこで突然、整備室の入口から大声が聞こえてくる。
「生徒会長の義務をさぼって、なにやっているのですか!?」
「う、虚ちゃん!?」
...確か、三年で生徒会の会計の人だったな。そして、本音ちゃんの姉だったはずだ。
眼鏡に三つ編みの茶髪で、本音ちゃんとは真反対な雰囲気だな。
「...お姉ちゃん?」
「ち、違うのよ!えっと、これは...!」
「っ、...あー、大体わかりましたが、とにかく生徒会室に戻って仕事をこなしてください!」
「あ、あっ、ま、待って....!」
...なんというか、まぁ、締まらない終わり方だったな。
「...お姉ちゃん...。」
簪ちゃんは簪ちゃんで、今までイメージしてた優秀すぎる姉の姿との落差で放心しかけてるし...。
「...結局は、シスコンなんだよなあの生徒会長...。」
「ある意味知りたくなかった事実...になるんですかね?」
まぁ、行き過ぎてなければ嬉しい事だろう。
「妹や弟が大事じゃない姉なんてな、早々いないんだよ。」
「っ.....。」
早々...はな。...エーベルヴァイン家は別だが。
「...悪いな、あんな事口にしてしまって。」
「...いえ...。」
簪ちゃんの専用機は、まだ完成してる訳じゃなく、皆で完成に近づけている状況なので、俺は差し入れのジュースを買って来る事にした。
ユーリちゃんは、少し気分転換として俺についてきた。
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ