第14話 幻術と共感覚性
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い。
「サソリー、結局あたし達に出来ることってないのかなー」
御坂が訊いてきた。
「まだ不確定要素が多すぎるな。下手に動くとこちらも巻き込まれそうだ......それに今は個人でしか聴いていないみたいだが、それをスピーカーのような物で流したらどうなるか」
サソリの仮説に御坂はゾッとした。
まだ個人で聴く分だけだから、これくらいに収まっているが、大大的に流してしまったら学園都市は一挙に大混乱の縁に落とされる。
「じゃあ、犯人はまだ本気を出していないって事?」
「本気かどうかは知らん。だが、その方が効率的だろ?」
サソリが振り返って御坂を見上げた。
その両眼には巴紋の写輪眼が光っていた。
「サソリ......またあの眼になってるわよ」
「ん!?またかよ」
サソリが視界に意識を集中する。ビルの隙間から依然よりも光る線の束が強固になって空に横たわっている。
また、増えている?!
サソリが空を見つめたまま黙っている。
御坂は、前に聴いたサソリの言葉を思い出した。
「待ってサソリ!その眼でレベルアッパーを使って人が識別出来るのよね?」
「ああ、光る線が頭から伸びているのがそうだ」
「じゃあ、その眼で発見されていない被害者を見つけることができるわね」
「そうだな」
「よし!そうと決まれば!」
御坂が車椅子を押す手に力を込めて歩くスピードを上げた。
嫌な予感がサソリの脳裏を過る。
「さー、行くわよ!」
車椅子を力強く押して御坂とサソリが走り抜けていく。
またしても現れた写輪眼。
発動方法
解除方法が分からぬ今
サソリは発動、解除を探っていた。
不良の戦闘の時に見えた光る線の存在。
それを思い出した時に写輪眼が発動した。
あれは写輪眼でしか観えていないらしい。
観えた時の感覚に身体が反応したのか?
そして、元の眼に戻った時に何をしていたか?
それは、白井を幻術に嵌めて抱きつかれた時だ。
白井の内に秘めた感情を読み取った後で写輪眼は解除されて、元に戻った。
ということは......
「また白井にくっ付いてみるか......」
「えっ!?」
凸凹コンビは坂道を御坂に全譲りして上っていく。
******
AIM解析研究所
電話が鳴り、研究者の木山が通話している。
「共感覚性......ね」
初春が先ほど詰めたアイディアを一任している木山に報告している。
「はい、それを利用すれば音楽プレイヤーで学習装置(テスタメント)と同じ働きをするんじゃないかって」
初春は、調査を依頼し、今後の事件解決へと向けるためにバス乗り場に立っていた。
「先ほどレベルアッパーを楽譜化して波形パターンを分析しましたデータをお送りしました。調査をお願いしたいのですが」
「ああ、そういう事なら
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