第14話 幻術と共感覚性
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メージとして頭に浮かび上がるような感じに近い。
生得だけでなく訓練により習得することが可能な能力でもある。
「もしかしてなんだけど......レベルアッパーもそれに近いことをやっているんじゃない?」
「音を使って幻を見せることは可能ですの?」
「ああ、ある」
「じゃあ、この曲を使って聴いた人を幻術に掛けているんですかね?」
「あり得るかも」
御坂達三人が活発に意見を出し合う中でサソリだけは、何処か冷めたようにポップコーンへと手を伸ばした。
「......少し待て。お前ら、オレが幻術を外した理由を分かってねえな」
「?」
「幻術っていうのは、大抵五感に働き掛けた瞬間に発動するようになっているんだよ......それなのに、聴いた瞬間から能力が上がってしばらくして意識を無くすってのが分からん」
「うーん?能力が上がるような幻を見せて意識を失わせたんじゃないですか?」
初春が思いついたように言うが
サソリは、頭を抱えて車椅子の上で頬杖を突いた。
「ちっ、そうじゃねーよ。オレの言いたいことが分かってねえな」
???
「へっへ?!ど、どういうことですか?」
「......傍目から見れば必要ない部分があんだよ」
サソリがヒントを出した。
「あっ!分かったかも......能力が上がるっていう所だ」
サソリが御坂を指差して同意の頷きをした。
「確かに、知っている人の能力を上げることは分かりますが.....インターネット上でバラまかれていたから犯人も知らない人が圧倒的に多いですわ」
「そうだ......この事件を引き起こした犯人の目的が何なのか知らんが......仮に意識不明にさせたいだけなら能力を上げる工程は要らんよな。オレなら聴いた瞬間に意識を奪うようにする」
「あ、言われてみれば!」
「幻術で意識不明になることはあるが、本当に能力が上がるっていうのが納得いかん。そこに何かカラクリがあるんじゃねーの?」
結局のところ
新たな疑問点が浮き彫りになり、調査は一歩前進、二歩くらい後退したような印象だ。
「幻術の可能性はないかー、良い線行ったと思ったんだけど」
「まあ、オレの中では死に案だから......あとは」
「共感覚性ですわね」
「この曲を聴いた人が次々と被害に遭っていますから......その方面で調査をしましょう」
******
ジャッジメント本部の建物を出て、その日の話し合いを終わらせてサソリを車椅子で押しながら御坂はため息をついた。
「はぁ、ちょっとゴチャゴチャしてきたわ」
昼間を過ぎた街路を歩いていく。
車椅子に揺られながら、サソリはもう一度、不良との戦闘を思い出していた。
幻術の可能性は低い、能力向上......頭の上にあった光る線
そうだ、その線を解読しなければならな
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