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銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
第四十七話 襲撃(その1)
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帝都オーディンでこんなのが動くなんてありえない。ハイネセンだって同様よ。キスリング中佐が警備の責任者と話をしている。どうやら、オッペンハイマー伯と貴族たちはまだ入ったままらしい。屋敷の門は固く閉められ、彼らにはどうにも出来ないと言っている。
「ギュンター、此処の指揮を頼んでいいかな」
「ああ」
「もう一度、徹底して欲しいんだ。いかなる意味でも人の出入りを禁じるってね」
「判った」
そうよ、これ以上人の出入りを許しちゃだめ。
「リューネブルク少将、この門を打ち破ってください」
「ふむ。急ぎますか?」
「ええ、とても」
「ミサイルを使う事になりますが」
ちょっと待って、ミサイルって
「もっと派手なのでも構いませんよ」
なに煽ってんのよ、この馬鹿! 二人ともいい加減にして。
私の願いも虚しく、門はミサイルで破壊されることになった。ヒュルヒュルヒュルという頼りない音がしたかと思うとドーンという破壊音と共に門が吹き飛ぶ。
「突入!」
リューネブルク少将の言葉と共に装甲擲弾兵が侵入する。ヴァレンシュタイン少将も中に入る。屋敷の中から人が出てきた。警備兵だろうか、こちらを驚きの目で見ている。
「少将、降伏を呼びかけてください。抵抗すれば反逆者として処断すると」
「了解しました。武器を捨て降伏しろ。抵抗すれば反逆者として処断する。第二十一師団第一連隊、武器を持っているものは殺せ、武器は有罪の証だ」
携帯用拡声器から放たれたリューネブルク少将の声は警備兵たちを驚かせた。完全武装の装甲擲弾兵に平服の警備兵がかなうわけが無い。たちまち武器を捨て降伏する。リューネブルク少将は捕虜の扱いなどテキパキと指示しながら屋敷に向かう。
ヴァレンシュタイン少将は洋館の出入り口もミサイルで吹き飛ばさせた。無茶苦茶やるわ、この子。もう覚悟決めたって感じ。そして私たちはオッペンハイマー伯たちを探した。
■ リッテンハイム侯屋敷 オッペンハイマー伯
これで、サビーネ・フォン・リッテンハイムが第三十七代の皇帝になれば私の栄光は確約されたと言ってもいいだろう。ブラウンシュバイク公は檻に閉じ込められたままだ。多数派工作などしたくとも出来まい。リッテンハイム侯とて私の力無しではなにも出来んのだ。どれほど評価しても評価しすぎという事は無い。あの小僧に感謝しなくてはな。
まずは、憲兵総監になることだな。当然、大将に昇進。そして次は軍務次官、最後に軍務尚書、この私が軍の頂点を極めるのだ。ヴァレンシュタインなど小僧の癖に私に指図など笑わせるな。平民が偉そうに我ら貴族を殺せなど何を考えているか、貴様の指図など全て踏みにじってやる。殺せるものなら殺してみろ、どうせ出来はしまい、小僧。ハッタリなど私には通用せんのだ。
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