幻のIS小説のプロットが長すぎたが完結した。
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知らせは……「風原の両親宅付近で戦闘発生」。その瞬間、真人は使用を制限されていたミソラスUを展開して飛び立っていた。セシリアも遅れつつ、無断でISを展開してそれを追う。千冬の宣言は、無情にも破られた。
現場では既に常駐していた自衛隊IS空挺部隊と無人機らしき機体群の戦いが勃発していた。二人は自衛隊と敵を挟撃する形で戦闘に突入しつつ、なんとか両親の元へと辿り着く。幸いなことに両親は無事だったため、二人は安堵する。だが、この瞬間に状況が一変した。周囲の無人ISが「バリア貫通兵器」を突如使用してきたのだ。国際的に違法とされるバリア貫通武装に自衛隊は次々に重傷を負って戦闘不能、若しくは死亡していく。遅れてアレーシャや簪の率いる更識部隊も到着するが、無人機の攻撃は真人たちの所に集中しているために二人は両親を安全な場所にも運べず攻撃を防ぐことで精いっぱいになる。
このままでは守りきれないと考える真人だが、装備的に防御向きのミソラスUが攻勢に出るとティアーズでは両親をカバーできない。かといってセシリアが前に出たら、最悪彼女は死亡する。懊悩する真人に、セシリアが「自分が前に出る」と告げる。「ここで真人さんのご両親を守りきれなかったら、わたくしの心に一生の禍根を残します……だから、出ます」。真人は止めようとするが、セシリアは頑として聞かない。
「無事に事を終えることが出来たら、伝えたいことがあります。ですから、わたくしの事には構わずお二人を守り通してくださいな?」。セシリアが空へ飛びだす。
セシリアの動きはそれまでの彼女の限界を超えたものだった。マスターしていない筈のフレキシブルをフルに活用し、BT運用時の動きの鈍りを克服し、一人で真人たちを攻撃するISを次々に撃破していく。セシリアの魂の戦い――しかし、突然それは訪れた。
無人機がやっと目減りしてきたその時に、セシリアの頭部に凶弾が突き刺さった。
自衛隊内の裏切り者による発砲だった。
更識部隊が一気に攻勢を仕掛けて速やかに無人機を無力化するなか、真人は咄嗟に両親の元を離れて落ちてくるセシリアに手を伸ばした。弾丸はセシリアの右目を貫いていた。ダメージで痙攣しながらも、セシリアは真人の両親の安否を確認する。両親は、更識に保護されて無事だった。それを知ったセシリアは、弾丸に抉れた顔から血を流しながら「よかった」と呟いて意識を失った。
戦場となった住宅街に、真人の悲鳴が木霊した。
彼女が伝えたいことは、聞けず仕舞いだった。
自衛隊内の裏切り者は捕えられた。家族を人質に取られて犯行に及んだ、家族の為にはやるしかなかったと彼女は泣いていた。――後日、彼女の両親や兄弟は既に全員が何者かによって殺害されていることが確認された。裏切り者はその事実を知った途端に狂ったように嗤い
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