第2章:埋もれし過去の産物
第39話「決戦の時」
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度、ユーリとの間合いを詰める。
振るわれる魄翼の腕に手を添え、上に乗りつつ切り裂く。
そのまま魄翼の腕を走り、振り落とされる前に跳び、上から振り下ろされる他の魄翼の側面に沿えるように魄翼を受け流し、それを足場にさらに踏み込む。
―――キィイイン!!
「くっ....!」
「...サーラ、貴女の力はこの程度だったのか...?」
「(障壁が...破れない...!)」
鋭く繰り出した刺突は、防御魔法に阻まれる。
...生前なら罅が入る程の力を込めたつもりだったのだけど....。
「まだまだ....!」
「貴女を、また殺す事になるとは....。」
この程度で立ち止まっていては、ユーリは止められない...!
「砕け得ぬ闇は...私が砕いてみせる!!」
弱くなったなんて関係ない。私は、私の誓いを決して曲げたりはしない...!
=優輝side=
「ぁあっ!!」
「っと...!」
転移した先で、緋雪は魔力を放出し、拘束魔法を吹き飛ばした。
「どうして、どうしてまた邪魔するの!?一度沈めたのに!なに、死にたいの!?死にたいのなら遠慮なく殺してあげるよ!!」
怒りを露わにし、僕にそう言うシュネー。
「....シュネー。」
「“お兄ちゃん”がその名で呼ばない...で....。」
静かに、以前よりも増えた魔力を開放する。
...そう、“ムート・メークリヒカイト”としての魔力を。
「....ムー..ト.....?」
「...ああ、あの時、あの戦い以来だな。」
魔力には、波長がある。
それは人それぞれ異なっており、例えクローンでも...それこそ、平行世界の同一人物だったとしても全く同じではない。
波長を構成するのは、その人物の魂と存在そのもの。
故に平行世界の同一人物であっても、微妙に違うのだ。
...だけど、僕と緋雪は別。...僕らは、同じ魂を持ち、同じ存在でもある。
僕は“志導優輝”でもあり、“ムート・メークリヒカイト”で、緋雪は“志導緋雪”であり、“シュネー・グラナートロート”でもある。
...だから、僕はムートと同じ魔力の波長が出せる。緋雪もまた然りだ。
だからこそ、シュネーは僕の正体に気付いてくれた。
「どう..して....ムートは、死んだ...はず.....。」
「シュネーと同じだ。“鍵”は開かれ、記憶が戻った。...それだけだ。」
信じられないような顔で僕を見るシュネー。
...そりゃあ、信じられないだろうな。目の前で、殺されたはずの人物なのだか
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