第2章:埋もれし過去の産物
第39話「決戦の時」
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目の前に迫る人間の顔を、腹を、心臓を貫く。
辺り一帯殺し尽くした後、血や心臓を貪る。
...ああ、渇いた喉が癒される。
―――...でも心の渇きは癒されない。
いつからだろう。こうなってしまったのは。
いつからだろう。こんな気持ちになったのは。
....そうだった。
―――ムートが、殺されてからだ....。
彼がいないから、私は狂気の赴くまま殺し続ける。
彼がいないから、私はこんな気持ちになっている。
彼がいないから、心が渇き続ける。
...彼じゃないと、私の心は癒せない。
...ねぇ、ムート。もう一度頼みたいな。
―――私を、殺して....ムート...!
=優輝side=
「...誰だ?」
目の前の騎士に僕はそう問いかける。
彼女は、味方とは限らない。だから、決して油断はしない。
「...いずこの王とお見受けします。」
「......。」
凛とした声で、彼女は僕にそう聞いてきた。
「...ユーリの事は、私に任せてもらえるでしょうか?」
「なに...?」
突然、そう言った彼女に、ディアーチェが反応する。
「いきなり現れた貴様に、我らの盟主であるユーリの事を任せろと?」
「.....その通りです。それが、私の騎士としての“誓い”ですから。」
その言葉を放った時の彼女の瞳は、僕と同じような“決意”に満ち溢れていた。
「幾千の時が流れようと、必ず助けてみせる。...それが私の...“サーラ・ラクレス”としての誓い。決して、我が主ユーリを闇に囚われたままではいさせません!」
「サーラ・ラクレス...“ラクレス”?」
聞いた事のある名だ。
確か...ムートだった時に見た文献で....。
「...お伽噺にもいたあの騎士か...!?まさか、あれはエグザミアの事を...!」
あの話に出てくるお姫様がユーリの事を、騎士が彼女の事を表すなら...!
災厄がエグザミアの暴走だという事に...?
「いや、お伽噺の通りなら彼女は助けられたはず...。」
「...今の時代にどう伝わっているかは知りませんが、あの時、私は命を賭してもユーリを封印する事しかできなかった...!...だからこそ、今度は助けたい...!」
「...そのアロンダイトは?」
この際、彼女の正体が偽物だろうと関係ない。
その決意は、僕
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