Side Story
少女怪盗と仮面の神父 6
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よ。全ッ然。で、男の人?」
「まあ。しっかりあるんじゃない、興味。返答は拒否させていただきマス。男だったらまた、その人と将来どうのこうのと意地悪言うつもりでしょ」
「チッ バレたか」
「ミートリッテぇえー? 悪いのは、このお口? このお口なの?」
「いひゃい、いひゃい! やうぇふぇ、ハウィふっ! ごうぇんわふぁい、ごうぇんわふぁい!」
ハウィスの細い指先が、視線を落としたミートリッテの頬を摘まんで強くひねり、ぐにぃーっと持ち上げた。
指先が離れる瞬間に走った鋭い痛みで、両目にうっすら涙が滲む。
「ごめんね」
「……どうして、ハウィスが謝るの?」
「寂しがり屋なミートリッテが、大好きだから」
頭を軽く抱えられ、頬をさする手が止まる。
「……バレバレですか」
「バレバレですよ。何年溺愛してると思ってるの?」
ふふ、と楽し気な笑い声一つで、胸の奥に蟠りかけた嫉妬や疎外感が、呆気なく霧散していく。
やはり、大人の余裕には敵わない。
「むぅー……ズルいなぁ。二、三日くらい洗い物全部押し付けてやろうかと思ったのに」
「あはは、抜かりないわねぇ。先手を打って良かった」
薄い唇が額に降りて、柔らかな感触を残した。
温かさとくすぐったさで、全身がむず痒くなる。
「仕方ない。私はできるだけ部屋に籠ってるから、上手くやってよ?」
「その言い方は不適切! 残念ながら、相手は他人以上・友人以下です!」
「やっぱり男か……」
「ほっぺむぎゅーと、こめかみグリグリ。どっちが好き?」
「下世話でしたごめんなさい」
「解ればよろしい」
額と額を合わせ、どちらからともなく、クスクスと笑い出す。
肩に置かれた腕が嬉しくて、ミートリッテもハウィスの体を抱きしめた。
トクントクンと規則的に響く音を堪能してから、ゆっくり離れる。
「じゃ、また後でね。夕飯は先にもらっちゃうかも」
「了解。そのまま出てく?」
「うん。帰りは入れ替わりになるかな。はっきりとは決めてないけど」
「朝帰りじゃなければ構わなくてよ?」
「ぶごふっ!?」
背中にハウィスの視線を受け止めつつ、二階へ上がろうと手すりを掴んだ途端の一言に、持ち上げた右足が空振りそうになった。
「な、何を言うかなあ!? 転けたら危ないでしょうが!」
「ふむ。その様子じゃ、虫はまだ付いてないのね。年頃だと思えば安心して良いのか良くないのか……親心は複雑よ?」
わざとらしい嘆息に、口元を彩る意地悪な形の歪み。
仕返しの仕返しだ。
「もぉーっ! ハウィスのバカーッ!」
これ以上一緒に居たら、手酷くからかわれる。
手練手管の限りを尽くして娘を弄ぶ母から逃げろと、突き当
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