一章
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。コレで、す」
震える女は封筒を俺に差し出す。そのなかには一枚のカードが入っていた。それを取りだし、封筒は女に返す。
ん。良い出来だ。これならバレねぇ
「あ、の……ゼロさ、ん……」
「あ?もう用はねぇよ」
……………………あ?
女は訳がわからないことに急に抱きついてきた。音がするくらい震えて、こいつも何か言ってるが、さっぱりわからん。とりあえず邪魔だから引き剥がそうとした
「じっとしてろ!闇の帝王ゼロ!!」
「あ?」
なぜかいきり立ってる雑魚は、安い酒の臭いをさせて俺を高い場所から見下ろしている。ほぉ?なかなか頭にくる態度だな
「コレを見ろ!お前にツレができるとは思わなかったぜ!」
小型の液晶には寝ている、というより気絶したガキ。そこに刀を持った輩
……へぇ。面白いことしてくれる
「じっとしてねぇとガキを殺す!さーーて!悪魔狩りしてやるぜ!」
「安い要求だな。じっとしてろ、か。俺の首を軍に届けた方が特だろうに」
「言われなくてもそうしてやるよ!お前が強いのはお前が1人で、なにも大切なものがなかったからだ!今はちがう!弱点がここにある!!」
「同感だ。なかなかわかってんだな、子悪党」
「そんな生意気なくち開けるのも今だけだ!やれ!!女!!その傷の復讐をしてやれ!!」
女はその言葉にぴくりと反応し、異様な目をしてナイフを持つ。息は荒々しく、歓喜の声をあげながら恐怖で怯えてる
はぁ、くだらねぇ
「やれぇ!!!」
冷たい何かが背中に突き立てられた。徐々にそこは熱く、焼けるような痛みを放つ。
「いやぁ!!はぁあ!!ハ、ハハハハハハ!!」
随分と女もイカれてる
「いい気味だぜ!ゼロよお?魔の帝王がこんなことでやられてるとはなあ!!愉快すぎて涙が出そうだぜ!」
「…………まったく」
拳銃をとりだし、素早く発射。撃たれたそいつが倒れるよりもはやく次のやつを撃つ。女はびびりすぎてナイフを放してへたりこんじまうし、無礼なあの馬鹿は現状を理解してすらない。
ほんと、どうしようもないバカだな
「…………あのなぁ、俺がそんなのを大事にするようなやつに見えるか?あ?」
「う、うそだろ!?殺すぞ?ほんとにやっちゃうぞ!??」
「あぁ。どうぞご勝手に。だが、今お前の命も俺次第だってことを忘れるなよ」
バカの口が止まったところで、背中に深々とやってくれた女に向かう。女は覚悟を決めたのか、俯いてこちらを見ることもない
「……身分証、いい仕事だった。ま、苦労したんだろうが、報酬はなし。背中のコレでチャラだ」
「………………
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