3部分:第三章
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第三章
「今度こそお兄ちゃんの鼻をあかすのよ」
「そしてその為には」
「私達二人が力を合わせて」
「そうしてこそよ」
まずはそこからだった。二人の団結が不可欠だった。
それは真実もわかっていてだ。それでだった。
彼女もだ。強い声で頷いたのだった。
「わかってるわ」
「乗ってくれるわね」
「乗らない筈がないでしょ」
真実はにやりと笑って双子の言葉に応える。しかしそのにやりとした笑みはどうにも彼女には似合っていない。ただ本人は気付いてはいない。
その彼女がだ。さらに言うのだった。
「だって。ずっとだからね」
「そうよね。本当にずっとだから」
「たまにはお兄ちゃんを化かさないとね」
「狐になるのよ」
化かすからだ。狐だった。
「いいわね。狐になってね」
「そうしてお兄ちゃんを」
「一回でもいいから騙してみせましょう」
二人はがっしりと手を握り合った。まさに誓いであった。
その誓いを交えさせてだ。二人はだ。
早速動きはじめた。ブティックに入りそうしてだった。
派手な服、色もデザインも一組選びだ。そしてだ。
メイクもだ。二人でだった。
「こんな感じ?」
「そうよね。もっと似せてね」
「そうしようね。じゃあ」
「こんな感じよね」
二人で話しながらだった。
メイクも究める。そしてだった。
二人で万全だと確め合ってだ。そうしてだった。
ある日丈だけが家にいる時、彼が大学の講義もなくアルバイトもない時で一人家にいる時を見計らってだ。化けてから家に戻りだ。
そのうえでだ。まずは亜実がチャイムを鳴らした。
そうしてだ。彼女が出て来た丈に話した。
「あの」
「んっ、君誰かな」
丈が見たのはオレンジと赤、それに黄色のあちこちがぎざぎざになった感じになっている派手な上着に右と左で大きさが違う紫のスカートを穿いてしかも黒いハイソックスに青や赤の光るイヤリングにブレスレット、派手なメイクをした女の子だった。
髪は茶色でそれをロングにしている。その彼女が来てだ。
そのうえでだ。丈にこう言ってきたのだ。
「亜実ちゃんと真実ちゃんのお友達です」
「ふうん、二人の?」
「はい、小清水麻美といいます」
そうだというのだ。
「宜しく御願いしますね」
「ふうん。二人のね」
丈は表情ははっきりしない感じだった。しかしだ。
その目は一瞬だが光った。それでだ。
こうだ。その彼女に言ったのだった。
「それで何の用かな」
「あのですね」
「あの?」
「亜実ちゃんと真実ちゃんが呼んでますよ」
そうだというのだ。
「ちょっと来てくれますか?」
「あれっ、何かおかしいな」
すぐにだ。丈はだ。
気付いた感じでだ。こう彼女に言ったのだった。
「二人
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