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流星のロックマン STARDUST BEGINS
精神の奥底
56 嵐の予感
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動からは正気でないというか…まるで復讐のような強い憎しみを感じられた。でもこれなら納得だ。オレだって、冷静でいられる自信はない」

なぜ彩斗がスターダストになったのか、計画の失敗したはずのValkyrieがなぜ未だにデンサンシティに残っているのか、分からないことはまだ多い。
しかしなぜ彩斗があのような凶行に及んだのか、そしてなおValkyrieを追っていたのかは痛いほどに理解できた。
シドウは一度、深呼吸して畳に横になり、血の上った頭を冷やして、冷静さを取り戻す。
そしてミツバの心中も鑑み、話をValkyrieに戻した。

「本題に戻るが、その後のValkyrieの動きは?」
「……」
「大丈夫か?」
「うん…Valkyrieの動きね。分かってる。ここら辺がシドウちゃんの一番欲しい情報だろうと思って、念入りに調べてあるよ」
「スマン。普段は軽そうに見えるけど、お前が本当は子供が好きで優しい奴だってことくらい、分かってるつもりだったのに」
「なんで謝るのさ?私は軽くて、ノーテンキ。ちょっと暑さにヤラれて、調子が悪いだけだよ」
「ふぅ…そうか」
「そうだお?ふふっ」

ミツバは気丈に振る舞ってみせる。
しかし本当はかなりのショックを受けていて、気が気ではないだろう。
シドウはミツバに協力を仰いだことを正直、悔いた。
この街には金さえ渡せば、仕事をこなす情報屋をまだ数人知っていた。
ミツバに比べれば能力こそ劣るだろうが、情に流されることもなく、物事をただの情報としてかき集めてくる血も涙も無いような連中を。
はっきり言ってしまえば、事件のあった廃工場からスターダストの反応があった、そして彩斗がスターダストであると知った段階でそれとなく予想はできていた。
実際、この結論に至っても特に驚きはしなかったが、ミツバにとっては相当、残酷なことをさせてしまった思っている。
しかし反面、Valkyrieのことだけでなく、ここまでのことが分かったのもミツバの人柄と能力ゆえのことだった。
シドウは心の中で素直にミツバのことを評価した。

「Valkyrieは昨日解決した籠城事件っていう目立った行動を取ったことで、街の裏でコソコソ行動してたベールから飛び出した。これによって、ディーラーみたいな裏社会の連中はもちろん、一般の人たちにもその存在は知るところとなった」
「『(アメロッパ)PMCがテロ活動・ニホンの安全神話崩壊への序章』か…この街を見ただけでも十分、崩壊してるが」

ミツバが取り出した久々に手に取る紙媒体の朝売新聞の見出しを見るやいなや、シドウは手首のスナップで新聞をゴミ箱に放り捨てた。

「おそらくこの事件の目的は2つ。1つはもちろんディーラーの隠していたジョーカープログラムを筆頭に保管された多くの企業のデータを
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