精神の奥底
56 嵐の予感
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いないね。いろんな諜報機関にマークされてる割に、謎だらけで手に入った情報もどこまで本当なんだか……」
「確実な情報は?」
「二ホン人、男性、身長175前後、細マッチョ、そこそこイケメン、天涯孤独、孤児院育ち、語学に堪能、常識にとらわれない柔軟かつ天才的頭脳と交渉手腕…くらいかな?」
「不確定なのは?」
「伊達メガネ、精神に障害有、薬物依存、左利き、挙げればキリがない。孤児院でいじめにあってたとか」
「面倒だな」
「頭ヤラれてる奴は何するか分からないからねぇ〜」
「…シンクロナイザーとはソリが合わないわけだ」
「シンクロナイザー?あの子、元気にしてるの?てか、ディーラー抜けたシドウちゃんが知ってるわけないか」
「会ったよ、昨日。シーサイドタウンの事件現場でな」
「…はぁっ!?」
一瞬遅れて間抜けにも聞こえる驚きの声が聞こえてくる。
それもそのはずで、シドウの言葉をそのまま受け取るのであれば、シンクロナイザー、すなわち彩斗が事件現場の学校にいた。
それも事件現場と言っていることから、武装したValkyrieがいるであろう学校の中だということは、かつてディーラーという物騒な組織にいたミツバにはすぐに分かった。
しかしミツバが驚いた理由はこれだけではなかった。
自分の予想が正しいなら、裏で動いているであろうものの存在があったのだ。
面食らった表情のミツバにシドウは続けた。
「いいか、落ち着いて聞け。この倉庫、そしてシーサイドタウンの学校立てこもってたValkyrieを襲撃したのは、シンクロナイザー、サイトだ」
「じゃあ…あの子が…今、スターダストを!?」
「!?お前、スターダストのことを知ってるのか?」
「…昔、ちょっと計画に関わったことがある程度。でも…何でよりによって…」
ミツバは今までの軽めの態度を一変させた。
これはミツバにとって、いくつか予想していた事態の中でも最悪の事態だ。
自身も計画の全貌まで把握しているわけではないが、断片的な情報だけでも、当時のミツバにはスターダストが如何に恐ろしいものかが想像できていた。
既に今までとは別人、再びディーラーのシャムロックとしての顔に戻っている。
「あの子は無事なの!?」
「既に知っているかもしれないが、この学校での騒動の後、逃亡の際に残党と争い、WAXAを含むサテラポリスに追跡されたが逃げられた。恐らく死んじゃいないだろうが…」
「スターダストを使ってただで済むはずがない…」
「それに関しては、ヨイリーの婆さんも言ってた。でも、あれだけスターダストの力を引き出しているとなると、システムの求める要件にそれなりの資質を持っていた可能性がある」
「ちょっと待って…あの子、外に出てるの?」
「あぁ、恐らくディーラーがある程度の自由を与えて、野放
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