第四十八話 石川少佐!ポエムはいいぞ!!その九
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「本当に見れば見る程な」
「奇麗な禿山だよな」
「坊さんの頭みたいだな」
「全くだぜ」
「わざとそうした山にしてるんだろうな」
「そうだろうな」
二人がこう話している時にだ、瞬は。
石川達治少佐と会っていた、石川はこの時に耳成山の麓にいた。言わずと知れた大和三山の一つである。
その山において空軍衆将校の軍服を着て和歌を作っていた、瞬はその彼に声をかけた。
「少佐、では」
「はい、これよりですね」
石川も瞬に顔を向けて応えた。
「奈良市に向かい」
「はい、そして」
「勝負ですね」
「そうです」
こう眉目秀麗な石川に言うのだった。
「参りましょう」
「はい」
石川は声も眉目秀麗だった、その声で応えた。
「ではお供します」
「私のですか」
「はい、大将が指揮官ですので」
大将だ、指揮官であるのは当然の階級だ。
「ですから」
「私のお供にですか」
「いかせて頂きます」
「そうですか、では」
「はい、参りましょう」
「これより」
二人で話してだ、そしてだった。
兵士が運転する車、瞬が乗って来たそれに二人で乗ろうとする。だが石川に地元の女子高生、女子中学生の声が来た。
「少佐、勝ちて帰れです!」
「ご武運を!」
「大将も頑張ってね!」
「美男美女のカップルここに出陣!」
「わ、私はその様な」
美女と言われてだ、瞬は車に乗ろうとしたところで顔を真っ赤にさせて応えた。
「美女では」
「じゃあ可愛い?」
「十代だし美少女?」
「小柄でお人形さんみたいで」
「黒髪も奇麗だし」
そうした身体的特徴からだというのだ。
「大将は美少女よね」
「そうそう、美少女であり大和撫子」
「ポイント高いわよね」
「ですから私は」
瞬は顔を真っ赤にさせたまま応える。
「そうしたことは」
「その照れるのが余計になのよね」
「可愛いのよね」
「もう妹みたいでね」
「余計にポイント高いわ」
「あの、皆さん」
石川がここで少女達に言った。
「あまり閣下にはそうしたお言葉は」
「駄目ですか?」
「ひょっとして」
「私達褒め言葉というか事実をです」
「閣下に申し上げたんですが」
「駄目ですか?」
「閣下は奥ゆかしい方なので」
だからというのだ。
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