第四十八話 石川少佐!ポエムはいいぞ!!その八
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「じゃあそういうことでな」
「イタリア味わえよ」
「あと奈良時代の料理も食えるぜ」
「そうしたホテルもあるんだよ」
言いながらだ、ここで。
二人はダークブラウンの小さな乳製品を出した、それはというと。
「これは蘇だ」
「古代の乳食品だ」
「白河法皇も食されていたらしいぜ」
「勿論奈良時代の帝もな」
おそらく聖武帝は味あわれていた。
「古代のご馳走だ」
「最近これも売ってるからな」
「奈良に立ち寄ったら食えよ」
「美味いぜ」
「さあ、何はともあれな」
「古都奈良の観光だ」
それを再開するのだった。
「酒も飲むか」
「イタリアンだとワインだぜ」
「そして奈良時代の料理だと白酒だぜ」
「昔ながらの濁り酒だ」
「確か大伴家持さんも飲んでいたぜ」
「万葉集にもあったな」
そうした歌も詠っている、万葉集のかなりの部分がこの歌人の作品である。
「その酒も飲めよ」
「そして歴史も味わうんだ」
「読者にそうしたことも教えながら観光をする俺達」
「最高にいかしてるぜ」
こんなことも言いながら古都を巡る、そして。
一旦物陰に隠れて変身してから街に出るとだ、早速だった。
善良な奈良市民と全世界から来た観光客からだ、石が来た。
「今度こそ負けろ!」
「どっから涌いて出た!」
「ゴキブリか御前等!」
「聖地奈良を汚すな!」
「鹿のフン以下の奴等が!」
吉永小百合さんの歌にも出ている。
「さっさと若草山行け!」
「観光なんぞ楽しむな!」
「こんなところにいるな!」
「さっさと消えてしまえ!」
「うっせんだよいつもいつも!」
「いい加減にしねえと怒るぞ!」
二人は奈良の商店街でもスーツの上から青筋を立てて中指を突き立てる。
「何で奈良県民毎回毎回俺達に石投げるんだ!」
「他の府県の奴等もそうだけれどな!」
「奈良県民特にひでえぞ!」
「とりわけ奈良市民と観光客な!」
「そんなんだから同じ古都でも京都市に負けてるんだよ!」
「あっちの方が全然栄えてるんだよ!」
奈良市民の痛いところまで衝く。
「そんで鹿ものさばるんだよ」
「我がもの顔で闊歩してるんだよ」
「茶粥食って寝てろ!」
「読者も茶粥食え!」
「茶粥美味いぞ!」
「毎朝食ってもいけるぜ!」
二人で茶粥の宣伝もする。
「とりあえす奈良市民覚えてろ!」
「観光客もな!」
「どいつもこいつだ!」
「覚えてろよ!」
こう言いながらだ、二人は若草山に来てその黄緑の見事な山を見て言った。
「禿山だよな」
「そうだよな」
「木が一本もねえぞ」
「それこそな」
「こんな山ないよな」
「他にな」
こう話すのだった。
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