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アイドルになるには
6部分:第六章
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第六章

 ドラマで活躍した。特撮番組で一年のレギュラーと普通のドラマの役をそれぞれ掛け持ちした。しかもだ。
 学生生活も並行させる。そんな彼女を見て事務所側はまた驚いた。
「タフだな」
「ドラマのレギュラー二つにグラビアの仕事もあってな」
「しかもラジオも出てるんだろ?」
「歌だって歌ってるし」
「コンサートの予定も入ってるしな」
「しかもだよ」
 そうした仕事に加えてだった。
「学生生活もちゃんとやってるしな」
「流石に出席日数は減ってるらしいけれどな」
「それでも凄いな」
「あれだけやって弱音一つ吐かない」
「しかも疲れた顔も見せない」
「何処までタフなんだ」
 彼等にしても驚くべきことだった。しかもだ。
 それに加えてだった。彼等が驚くどころか信じられないことは。
「喜多村君の作った料理をいつも食べてだからな」
「それで平気なんてな」
「ちょっとないだろ」
「有り得ないぞ」
 何とだ。喜多村さんの作った料理をいつも食べてもだ。平気なのである。事務所側は作る喜多村さんも食べる彩奈も止めようとした。しかしなのだ。
 彼女は平気で、しかも美味しそうに食べる。それを見てだ。
 彼等はだ。こう言うのだった。
「あれだけ丈夫だとな」
「ああ、あの娘ひょっとして」
「立てるか?頂点に」
「アイドル界の」
 そうなれるのではないかと思ったのだ。それでだ。
 彼等はだ。決めたのだった。
「よし、あの娘はな」
「ああ、事務所としてもこれまで以上に売り出すぞ」
「あの娘をな」
「そうするぞ」
 こうしてだった。彩奈は事務所のバックアップも受けてだ。
 アイドルとして日に日に大きくなり。遂には。
 その松田聖子に匹敵するアイドルになった。中森明菜にも。
 そのことについてだ。彼女はこう言うのだった。
「マネージャーの喜多村さんのお陰です」
 にこりと笑って言う。しかしだ。
 詳しいことを知る者はだ。誰もがこう言うのだった。
「全ては体力だな」
「人間どれだけ頑丈かだよ」
「それ次第で何ができるか決まるんだよ」
「アイドルでも何でもな」
 これが彼等の言葉だった。そしてだ。
 彼女の母もだ。トップアイドルになった娘に言うのだった。
「まあ。絶対病気にもならないし怪我にもならないしダウンしないしね」
「健康なのはいいことよね」
「鉄人はね」
「鉄人?」
「そう、鉄人なのはね」
 それはいいことだとだ。娘本人に言うのである。
「何でもできるから」
「何かそう言われると」
「漫画のあのロボットみたいだっていうのね
「それかプロ野球選手か」
 あの広島の黄金時代を築いた名選手のことである。尚その背番号は永久欠番になっており地元ではもう一人の看板選手と共に神になってい
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