機動戦士ガンダムSEED編
第26話 前編
[3/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初
ざわざ家族と過ごせる時間を削ってまで自分達に息子の伝言を伝えに来てくれたというのに、自分はあろうことかそんな彼が答えられない事を無理やりにでも聞き出そうとしていたのだ。
なんと馬鹿な事をしたのだろうか、私は………
すぐさま謝罪し頭を下げるハルマ。対してトールはハルマの行動に困惑し、少し間を置いた後に何とか立ち直り謝らなくてもいいとハルマに告げた。
その後トールは家族の下に戻っていき、二人はキラを待つ為来客用のソファに腰を下ろした。
ハルマは見るからに疲弊しており、妻のカリダはそれを心配そうに見つめていた。
「すまない、カリダ。みっともないところを見せてしまったな」
「いえ、いいんです。……あの子の事が心配なのは私も同じですから」
「………」
ハルマの中では、まだトールという少年にキラは今どういった状況にあるのか尋ねたい気持ちが僅かながら残っている。だが、答えられないと言っているのに無理矢理聞き出す事は彼には出来ない。それがキラの友人なら尚更だ。
それにキラは時間内には来る、と伝言で伝えてきたのだ。
──今はただ信じて待つ。
やはり、そうするしかないのだろう。
歯がゆくはあるがそれ以外にできる事がないのなら、完全にとはいかないが諦めもつくというもの。
ならば親として、いざキラがやってきた時心配させぬよう平然とした態度でいなければと自分に言い聞かせ、ハルマはカリダと共にキラの到着を待つ事に決めたのだった。
モルゲンレーテ工業施設内の、開発された兵器のテストを行う試験運用区画。
ここで行われているのは、モルゲンレーテが開発したMS『M1アストレイ』3機と、先日入港したアークエンジェルで雇われた傭兵が操縦するジン1機による模擬戦だ。
当初、この模擬戦を観戦していた者達の内、M1アストレイを開発した技術スタッフの殆どは苦戦はすれど勝つのは3機のM1アストレイだろう、と予想していた。
ジンは大戦初期に開発された機体であるのに対し、M1アストレイはモルゲンレーテがヘリオポリスでのストライクを始めとするGAT-Xシリーズの開発データを用いて開発した機体だ。
量産型という点やデータの全てを解析できなかったという事もあり性能は本家より劣ってはいるものの、それもGAT-Xシリーズと比べればの話である。
今まで問題になっていたOSも、アークエンジェルにてGAT-Xシリーズの一つ『ストライク』のパイロットを勤めるキラ・ヤマト少尉の協力もあり実戦に投入できるレベルに仕上がった。
今まで頭を悩ませていた問題が一気に開発したのもあるだろうし、自分達が開発し
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ