光を齎(もたら)す者
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だが、ディランはもちろんそのことも考えてはいたのだが、日本支部の戦力を考えてみれば、使える物は使った方がいいと言わざるを得ない状態だった。
《わかってる。だが、戦力の少ない日本支部においてこの状況を打破するには、ルシファーと同じ【ヒエラルキー】を持つ【熾天使(セラフィム)】のウリエルを持っているレミちゃんの力が必要だ》
「しかし…!」
「大丈夫です、マナさん…!」
「レミちゃん……」
「心配をかけてくれていることは分かっています。でも、私だけしかこの日本列島を救うことができないんです! だから、行かせてください」
「……」
「わかった。ただし、拒絶か始まってるから、そう長くはもたない。かといって、焦らず慎重に行動を心がけるように」
「はい…!」
「作戦は先ほど伝えたようにリーダーであるレミちゃんに従ってくれ。戦域に近づいているイレギュラーが来ないか私たちが監視しているから。よし、作戦開始!」
「「「了解!!」」」
レミとヒビキと椿姫は、何か動力が働いたのか空中に浮き上がり、ニーズ・ヘッグの元へ向かった。
――囮になって引き付けている3機の戦闘機を追いかけるニーズ・ヘッグ。海から離れ、都会の真ん中あたりに来ていた。
《よし! 全機、全速力で散開!》
隊長の掛け声で3機は散り散りになり、龍から離れていく。
「雷を操りし大天使よ。我、汝の雷撃の怒りを放ち轟かん…! ヴォックス・マーレイ・イレアッ!!」
詠唱と共に、赤い龍の頭上に雲が発達して雷雲と化す。雲の違和感に気付くニーズ・ヘッグだったが、すでに遅かった。
突如雷雲から放った雷がヒビキの巨槌に直撃。そのまま同化し、ニーズ・ヘッグに攻撃する。
ニーズ・ヘッグはそのまま落下し、コンクリートの地面に叩きつけられる。
「よっしゃぁぁ!!」
レミたちによる奇襲が成功する。
「こちらレミ。奇襲に成功しました。よくやった、ヒビキ!」
「へへっ、まあな!」
ガッツポーズをして、雄たけびを上げるヒビキに称賛する彼女らの隊長のレミ。しかし、ニーズ・ヘッグはまだ自力で立てる体力が残っている。
「もう1つお見舞いするどすえ! はあっ!」
ヒビキの雄たけびに気付き、レミたちを見つけたニーズ・ヘッグは怒り出す。
巨大な翼の羽ばたきと強靭な脚力で飛翔し、口から火炎放射を繰り出す。
レミたちは別々の方向に向かって散開し、ニーズ・ヘッグをかく乱する。
一般人が避難している中、ミチルとカズヒコはモノレール・ステーションの近くにある人通りの少ない道のマンホールを開け、地下水道からの侵入を試みていた。
先頭はカズヒコ。携帯端末に表示されているマップを確認しながら相当長い時間、地下水道の奥へ奥へと進んでいたのだが、地上での戦闘で振動が起きている。
(ど
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