光を齎(もたら)す者
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放射を放つ。追尾ミサイルは爆破、撃墜した。
ミサイルを回避することや撃墜することに優先していたので、戦闘機の行方がわからなくなっていた。
ニーズ・ヘッグの音に敏感な耳に戦闘機のエンジン音が聞こえた。太陽の眩しさを盾にニーズ・ヘッグに突貫する。
《ミサイル、発射!》
かわしながら急降下し、海に水しぶきが立つ海水面ぎりぎりまで飛行する。戦闘機も後を追う。
ニーズ・ヘッグは急上昇した。円を描くように旋回にしながら飛行、戦闘機の後ろにつき、火炎放射を放つ。後方にいた戦闘機のエンジンに直撃、爆破した。
《だ、脱出します!》
撃墜される前に脱出装置を作動させ、シーツごと真上に放射。戦闘機は海に堕ち、炎と煙を発していた。
《待たせたね、航空自衛の精鋭部隊。こちらの準備はできた》
《ディラン支部長!》
ディランが日本支部イスビアの基地から無線で連絡してきたのだ。
「他の撃墜されてしまった戦闘機のパイロットの2人は、なんとか回収できた。予定ポイントまで引き付けてくれ」
《了解です! 全機、聞いた通りだ。目標をポイントまで引き付けるぞ》
通話を切り、隊長が隊員たちにところへ向かう。
《よし。君たち、作戦は覚えてるね》
「はい」
「わーってるよ」
「ええ」
通信機で聞いていたレミ、ヒビキ、椿姫とレミのサポーターとして同行した苅部ナナが海岸沿いに最も近いビルの屋上にいた。
レミはペンダント、ヒビキはピアス、椿姫はかんざしに手を触れる。
「では、作戦開始!」
ディランの掛け声と同時に3人が叫ぶ。
「「「天装ッ!!」」」
叫んだ3人の少女は、それぞれの付けているアクセサリーが発光。光の膜のような物が徐々に広がり、彼女たちを包んでいく。だが、僅かな時間で光が消えて、彼女たちの服が違う服に変わっていた。
ヒビキは、体格に似合わない巨大なハンマーを持っている。服装は、黄色と黒の2色の裾の長い半袖フードと短パンで雷雲を思わせる。
椿姫は、長杖に紫、黒の彩で足が見えない服装になっている。まるで魔法使いだ。
レミの服装は、白と黒の袖のない服装で腰にマント、左手に盾のような籠手が特徴的だ。右手に両刃の剣を持っていて、剣士と思わせる。
「うぐっ…!」
「レミちゃん!」
突如レミが何かで縛られているかのように痛み出した。立つことさえ困難になり、態勢を低くして、痛みが治るまで安定をする。
「おい、大丈夫か!?」
「肩に掴まるどす」
ヒビキと椿姫が協力して、レミが立てるよう肩を貸して手伝う。
「ごめん、みんな……」
無理強いでも任務をやり遂げようとするレミだったが、不安で心がいっぱいだった苅部が言う。
「ディラン支部長、やはり無理ですよ!」
【天装】が不安定な状態でレミを出動中止を申しだてる苅部マナ。
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