光を齎(もたら)す者
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、何も見えねぇ!」
「この光は…!」
「う…。どう…なったんだ……」
「君…それ……」
「えっ? な、なんだこれ!?」
ミチルが目を開けて状況を確認する。そこにレミがミチルの体に向けて指をさす。
ミチルは自分の体を見て、今まで着ていた制服がレミの着ていた服に変わっていたのだ。
「ッ! 攻撃が来るわ!」
ニーズ・ヘッグがもう1度火炎の咆哮を放ち、ミチルはすかさず両腕をクロスし、防御に徹した。
すると、左腕に装着している盾と合体した籠手が光り出し、ミチルの目の前にバリアのような物が展開した。そのバリアは、ミチルにたとえ灯でも触れさせない。
ニーズ・ヘッグは炎を吐くのを止め、ミチルを尾で振り払った。
「ぐわっ!」
「ミチル!」
ニーズ・ヘッグがミチルの前に立ち、攻撃を仕掛けようとしたその時だった。
「なんだ!?」
後ろからの攻撃によりニーズ・ヘッグがよろめいたのだ。
「アタシらのことを」
「忘れないで欲しいどす」
ニーズ・ヘッグは、数的に勝機が見いだせないと判断したのか彼らの元から立ち去ろうとしている。
「あいつ、海に逃げてくぞ!」
「ニーズ・ヘッグを追って!」
「わかった!」
ミチルは飛翔し、ニーズ・ヘッグを追う。そこにヒビキと椿姫がミチルにアドバイスをする。
「おい、そこのお前! ルシファーの固有奥儀を使え!」
「固有奥儀…?」
「固有奥儀は、詠唱を唱えることで発動されるどす!」
「詠唱…。もしかしてこれか?」
何か思いついたミチルは剣先を真上にし、グリップを両手で持って、詠唱を唱えた。
「輝煌の光をもたらす明星の熾天使よ。我、汝の天の光にて我が友の希望、誇りとなりて阻む者共を穿つ!」
詠唱を唱えた後、ミチルの足元に巨大な魔法陣が出現。無風なのにマントや髪の毛は靡き、剣の刃の部分は光り出し、宇宙まで届くような高さに形成した。
「で、でかっ!」
「やっぱり…。そのままあの龍に…!」
「わかった! ステイラ・スプレンディデート・グラーディオッ!! いっけぇぇぇー!」
ミチルが巨大な光の刃をニーズ・ヘッグに向けて振りかざした。光の刃を受けたニーズ・ヘッグの姿は、光とともに消え、海を斬り裂いた。
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