光を齎(もたら)す者
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うも地上が騒がしい…。怪獣が街に侵攻しているのか?)
ミチルたちの近くにちょうど地上に出られる出入り口に来ていた。ミチルとカズヒコは地上が騒がしい理由を確かめる必要があると判断する。
「ミチル……」
カズヒコが地上に出てみる覚悟があるのかと問いだした。ミチル本人も正直怖いと思っている。だが、カズヒコと乗った船なのでミチルは覚悟を決めた。
ミチルは「うん」と首を縦に振った。
カズヒコも同じように首を縦に振り、梯子で上り、重いマンホールを自分の体を押し当てるようにして開ける。
「ふん!」
顔が真っ赤になるほど力を入れたので、息が大きく乱れている。
「ふぅ…ふぅ……」
その後、ミチルも地上に出た。彼らの周りには、人のいる気配が無く、気味が悪いと言われるほどの殺風景の都会になっていた。
「なんだこりゃ…。誰もいない……」
カズヒコが言った。
すると、どこからか獣が吐く咆哮のようなものが聞こえる。
「聞こえたか?」
「ああ…!」
「とにかく、見つからないように行こう」
「オーケー!」
ミチルとカズヒコは、音のした方向へ都会の建物を利用しながらスパイのように隠密に移動した。
ある程度近づいたところで動くのを止め、見つからないように身を隠す。
「おい、ミチル! あれ!」
カズヒコの視線の先にミチルも目を凝らして見た。そこには、ニーズ・ヘッグと空中に浮いて戦っているレミたちだ。
(えっ!? あれは今朝モノレールで会った女の子じゃないか! なんでこんなところに!? しかも、なんで怪獣と戦ってるんだ!?)
ミチルはレミが危険地帯であるこの場所で戦っている姿に正直戸惑っていた。
(もしかして……)
ミチルは回想した。モノレールの中でレミが言ってたあの言葉について今でも疑問に思っていたのだが、これを見てすべてが分かった。
ミチルたちは見えるところまでもう少し近づいていく。宙に浮きながらレミたちの戦う姿を見ることに成功する。
「それッ!」
長杖を高く上げ、水色のコアの部分が光り出す。レミを後押しするかのように後ろから強風が吹き込み、ニーズ・ヘッグは飛ばされないように踏ん張りをする。
「はあっ!」
動けないニーズ・ヘッグの背後から剣士姿のレミが勢いよく剣を振るう。
「ぐぅ…!」
だが、ここぞというときに力が発揮せず、空振りに終わる。レミの存在を目視したニーズ・ヘッグは尾でレミを振り払う。
「きゃあッ!」
「レミッ!!」
レミはそのままビルの最下層の外壁に激突する。
「レミちゃん! 」
ニーズ・ヘッグは力で呪縛を無理矢理解き、レミに向かう。
「まずい…! レミ!」
ヒビキはレミを助けようとするが、ニーズ・ヘッグの口から火を噴き、近づけさせないようにする。
「クソッ、近づけ
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