十二節・寄り道から出会う “体術” 使い
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時代に挑戦したけどどうしてもクリアできなくて、そのまま活動を続けたら……何時の間にやら《鼠》の名前が振れ回っちゃってた訳サ」
「だから本製品版でもその立ち位置を貫いてっ――――――そ、そうと知っていたらこんな所には……!」
「何言ってんだいとくしたゾ? キー坊は。《エクストラスキル》と《お髭の理由》をどちらも手に入れたんだからナァ」
「う、うれしくねぇ……!」
ベータ時代の情報を普通に出したアルゴでは有ったが、恐らくもう己がテスターだと知れ渡っている事とコレぐらいなら教えても害がないと言う事で、対して口を噤む事無く言いきったのだろう。
彼女が《鼠》と呼ばれる理由こそ分かったものの、その対価はキリトにとっては余りにも大きすぎた。
実に不安そうな顔で、二人に問い掛けてきた。
「な、なあグザ、アルゴ……俺の顔どうなってる? 格好良かったり、グザみたいな奴だったらまだマシかも……」
「ン〜……一言で言うなら、そうだナ―――まんま、 “キリえもん” ダナ!」
「……ブフッ」
キリトはアルゴにズバリ言われてしまい、そのただ両頬三本づつ太めの黒い線を頬に塗ったくっただけの、テキトーでいて実に間抜けな顔を情けなく歪ませた。
あんまりにも可哀そうな仕上がりなのに、ハの字眉という追加の止めを刺された二人は―――もう堪えていた笑いの衝動を我慢できず、息ぴったりのタイミングで一気に吐き出した。
「ニャーハハハハハハハ! ニャーハハハハハッ!!」
「ヒヒヒ、ヒヒハハハハハハ! ヒヒヒヒヒヒハハハァ!!」
「ち……ちっくしょぉぉぉおっ!?」
夕日が沈みかけ青と赤のコントラストを描く光の下、キリトの悲哀たっぷりの咆哮が轟き、グザとアルゴの高らかな笑い声が良く響いていた。
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