Vivid編
第七話〜踏み出す〜
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話だ、と内心でレジアスは愚痴る。
かつて陸の局員からの不平不満の声はレジアス自身多く聞いてきた。しかし、それを改善しようとしても人員不足や規則、そして大きな組織にお決まりの権力などで全てとは言わないが殆どが握り潰されてきたのだ。
そして管理局員が本来目指すべき市民の安全の維持を直向きにこなそうとする末端の局員は、私腹を肥やす権力持ちの高官どもに食い潰されてきた。
ただ、組織や自分にとって目障りであるという理由で。
レジアスは自身がどうであったのかを考える。汚職もした、志を同じくした友も切り捨てた。そして、自身が唾棄すべき融通のきかない高官にもなった。
だが、JS事件を経て、自身の初志を思い出し、そして全てを失った。
「…………これでは道化ではないか」
ポツリとそんな言葉が口から漏れる。
そして、そんな中、ふと目の前のこの青年が自身の罪を何処まで知っているのか疑問に思う。
「恐らく、貴方がJS事件に……いえ、最高評議会とジェイル・スカリエッティに関わった全てを知っている」
「……そうか」
自身の心を見透かしたようなライの言葉にドキリとしつつ、ライの返答の内容にもう驚いている余裕も今のレジアスにはなかった。
それに管理局の汚職の一部をハッキリと把握している時点で、今更の内容だなとも思う。
「人員についてはこれくらいにして後は組織の立ち位置だ」
「……」
話を続けるように新しい話題を口にしたライに、レジアスは無言で先を促す。内心では黙っていても話は続けるのではないか?と思いつつもレジアスは聞きの姿勢を取る。
「正確には立ち位置ではなく組織としての力関係だが」
「?」
これまでのライの説明では、新しく作ると言われているその組織が管理局と事を構えるのは既に確定事項の一つだ。
ならば、時空管理局という組織と同等か、若しくはそれを上回る力が必要なのは確実である。なのに、それを言及すると言うのはどういうことなのか、ミッドチルダの社会しか詳しくないレジアスには疑問に感じた。
「二つの組織が対立してしまえば、それは抗争か戦争になる。ならばそれを回避するために必要なのは何だと思う?」
「……同じく力を持った調停役か」
レジアスの言葉にライは満足そうに頷いた。
「だが、そんな組織がどこに……いや…………管理局と同等?…………まさか」
「管理局と新組織、そして聖王協会の三竦みによるパワーバランスを作り出すことで戦争を回避する」
レジアスの思考に応えるように、ライはさも当然のようにそう言い切った。だが、ライの言葉はまだ続く。
「そして今日、白月ライがレジアス・ゲイズに会いに来た理由は依頼があるからだ」
「依頼?」
ライの言
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