第2章 VS武偵殺し
6.終わりの始まり
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最初はなかった秘策がある。
「なあ、武偵殺し」
「なに?」
「お前俺を見てたんだろ?どの位置から見てたんだ?」
「…横の倉庫だけど?あ、見たわよあんたの恥ずかしいシーン!爆笑もんだったわ!」
「いや、あれは忘れてくれ頼むから」
あの恥ずかしさはない。ないったらないのだ。
「んなことより、なんつーかさ、やっぱ暗闇ばっかにいたほうがこういう薄暗いところって見えやすいのな」
「はー?いきなり、なに言っちゃってんの〜?意味わかんなーい??」
「いやさ、なんか、《《下に変な煙が見えるが》》わかるか?」
俺は地面を指差し、武偵殺しもそれに従って下を見る。
そして、目を見開いた。
白い煙のようなものが足元を揺れている。俺の元にも、武偵殺しのもとにも。
「液体窒素だ。ここもともと缶詰工場だろ?缶の蓋閉める時に使うんだよ。お前が最初に階段にいた俺を、というか俺の方の全体を撃ったときに溜めていたタンクかなんかが壊れちまったんだろうな。もうここの地面スレスレには液体窒素が漂いまくってるぞ」
「…はっ。それがどうしたってのさ。あんた知らないの?液体窒素ってのは窒素を凍らせただけの、ほとんどただの空気と変わらないのよ?それだけでなんだってー」
「………。」
俺は饒舌に話す武偵殺しの話を無視して、そっとポケットに手を入れる。
「っ!待ちなさい!!動かないで!」
武偵殺しも戦闘のプロだ。俺なんかの平凡な動きは簡単に読めるようで、拳銃を俺に向けてくる。武偵殺しの銃も俺を狙う。俺は冷や汗をかきながら
「な、なんだよ…なにもしてないぜ」
「よく言うわよ。さっきから凍る床とか爆発するなにかとかおっきなボールとか、わけがわからないものばかり出されて。あんた、予想が全くできないの。いいからそのまま下がりなさい。そして機械の上に持ってるもの全部置くこと」
「…ちっ」
この状況を打破できるような策は持ち合わせていない。俺は一歩一歩ゆっくり下がると近くのセグウェイもどきの上に持っているもの全て置いていく。マシンガンに携帯、スーパーボールと暖か毛布、ティシュ。
「ほら、これで全部だ。もうなんも持ってないって・・というかそもそも灯油がむっちゃ少ないとわかった時点でお手上げ。なにも他に作戦なんてたてられないっての」
「…やけに素直ね」
「もう若干諦め感あってな。というか、知ってるかもしれないが俺はEランクだぞ。なんの才能もねーし、銃の腕もねーんだ。んな俺がお前みたいな一級犯罪者と戦うって時点でもうおかしいだろうが。俺は子猫探すーとかそういうボランティアもどきをやってるのが一番似合ってんだよ。才能って言葉俺ほんと嫌いだわ」
「才能、ね。あんた、最後にひ
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