第1章 始まり
2.金が欲しくてやった。後悔は…
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ポーズしながらその転がっていったセグウェイへと近づく。このまま銃器を外し、軽く壊して持ち帰ることが出来れば今日は鍋にしよう。
なんて考えていた矢先ーー
ダンッ!と音を立てセグウェイもどきが立ち上がった。
そう、俺の方にその銃器を向けて…
「……あ、ども」
俺はまるでジーっと見ているかのようなそのセグウェイもどきに思わず軽く挨拶をしてしまったーー
その瞬間、
ダダダダダダダッ!!
セグウェイもどきは俺に発砲を開始した。
「おわわわわっ!?」
俺は突然のことに思わず袋を右方向に投げてしまいながら、しかしそれを拾う暇などなく桜の木の裏に隠れる。
なんとか一発も当たらなかったことをラッキーと思いつつ、今も後ろから聞こえる激しい発砲音にうんうんと頷く。
「…ふう、これは、あれだな…無理だな」
桜の木が振動で揺れ始め桜を撒き散らし始める中、そう思い直す。
うん、普通機械って足崩されるともろいって思ってたんだけどやっぱセグウェイすげぇな。ハワイに行ったら買おう買おう。
なんてへんなことを考えながら脱出の道を探している中で
気づいた。
(…あ、あり?なんか聞こえる銃声が一つじゃないんですけど…?)
後ろから聞こえる音が一つのマシンガンからの音にしては大きく聞こえた。
頬を流れる冷や汗が嫌な想像を醸し出しつつも、そーっと覗いてみると…
セグウェイどもの半分がこちらを射撃していた。
(うそん…やめときゃよかった。…お金欲しいけどこりゃ《《無理》》だろ…)
後悔した。余計な欲を出さず、余計な好奇心を出さず、ただまっすぐに教室へと向かっていればよかったと。
無理なことをしなければよかったと…。
「…なんて、昨日の俺ならここで逃げ出せたんだよなぁ」
後らからの轟音を聞きながらも、俺は自分の考えを打ち消した。
俺は昨日とある女子武偵にある言葉を言われた。その言葉は俺の一年の生活を思いっきり否定して、思いっきり叱咤したのだ。
彼女に会わなければ、こんなこと思わなかったんだろうが…出会ってしまったものは仕方ない。言われてしまった言葉によって俺が普段とは違う行動をしても仕方ない。
そう自分に言い訳をした俺は、辺りの状況を整理し始めた。
《右にはコンクリートの壁、
後ろは桜の木、
その後ろは発砲中のセグウェイが4機、あの程度の大きさなら持ち上げることはできそうだ
前には普通の路地と俺の自転車、
左にはある程度幅のある道路、そしてそこに落ちている俺の竹刀と穴の開いた竹刀の袋。
持っているのは小さな小型銃とティッシュ、携帯、カバン
俺の竹刀が有効に使える距離は
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