巻ノ三十四 十勇士その十一
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「何はともあれ人はな」
「求めますか」
「これから」
「そうする、しかし策を求める者はか」
「我等としましては」
「どうしても」
これが四天王の考えだった。
「賛成できませぬ」
「しかし殿がそう仰るのならば」
「我等もです」
「従いまする」
「そうか、では考えておこう」
家康は彼等の言葉を受けて一旦考えた、しかし後日本多親子の石高と役職をそれぞれ高めた。そのうえで天下に人を求めだした。
その家康の動きを見つつだ、昌幸も息子達に言った。
「さて、家を守った後はな」
「はい、政ですな」
「その時ですな」88
「うむ、この上田を治めるが」
それと共にというのだ。
「他の家とのやり取りもじゃ」
「それもですな」
「されますな」
「御主達には嫁を取ってもらい」
他の家との縁組である。
「そしてじゃ」
「人質、ですか」
信之が言った言葉だ。
「我等も」
「他の家にな」
「徳川家とですな」
「上杉家じゃ」
この家とも、というのだ。
「両方の家にそれぞれ送るぞ」
「やはりですか」
「そうなりますか」
「それでじゃ、御主達にはそれぞれじゃ」
二人の息子達それぞれがというのだ。
「行ってもらう、そしてな」
「縁組もですな」
「進められますか」
「そうする」
こう言うのだった、そしてだった。
真田家は徳川家との戦を乗り切った後早速政に動いていった。それもまた自分達が生き残る為のものであった。
巻ノ三十四 完
2015・11・27
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